写真家の結婚写真に批判集中 アフリカ「ばかにしている」

By 太田清

ミルトンさんの写真。フェイスブックから

 米国の写真家が結婚、夫婦で撮った記念写真をSNSに投稿したが、その内容に「悪趣味」「人種差別」などの批判が殺到する騒ぎとなった。撮影の舞台が、民族対立や反政府勢力との戦闘により疲弊し不安定な情勢が続くアフリカ中部のコンゴ民主共和国(旧ザイール)で、アフリカやコンゴをばかにしたととられるような内容が含まれていたためだ。英大衆紙「デーリー・メール」(電子版)などが25日までに伝えた。 

 投稿したのは、米国人の旅行写真家ジョン・ミルトンさんで、夫妻は2017年にコンゴ民主共和国に赴き、結婚式を挙げた後、記念写真を撮影。うち1枚は、溶岩をたぎらせる火山の火口近くで、ウエディングドレス姿の妻とミルトンさんが2人の男に銃を突きつけられ、ひざまずく様子が写っている。キャプションには「地元の部族とともにコンゴの活火山の頂上で、下界では内戦が起きている中、結婚の誓いをするのは最高のシュールレアリズム」とあった。 

 別の写真では、黒いブーツを履き短いスカートのウエディングドレスを着たミルトンさんの妻がコンゴの村でポーズをとっているが、「ゲットー(スラム街)を歩き回った」との説明が付いている。 

 「ブラッド・ダイヤモンド」(血塗られたダイヤモンド)とのキャプションを付けて、コンゴの住人が手に持つカラシニコフ銃の上に結婚指輪を置いた写真も掲載した。写真の一部は合成された可能性もある。 

 ミルトンさんは当初、自身のインスタグラムに写真をアップしたがその後削除。しかし、スクリーンショットをとったユーザーがSNSに写真を掲載したことから一気に拡散。「内戦で疲弊した貧しいコンゴをばかにしている」「ドン引きした」などの批判が集中した。 (共同通信=太田清)

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