宮沢和史、沖縄戦に「怒りがこみあげた」 THE BOOM『島唄』に込めた平和への思い

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10月からスタートしたJ-WAVEの番組『MESSAGE FROM UTAKATA』(ナビゲーター:宮沢和史)。宮沢和史が、沖縄の魅力や自ら収集した貴重な沖縄の島唄を、毎週紹介する番組です。3回目のオンエアでは、宮沢が行っている植樹活動と、THE BOOMの名曲『島唄』の誕生にまつわる話について語りました。

■三線になるまで100年~300年…未来への植樹

宮沢は5年前から三線の材料となるくるちの木の植樹活動をしています。

宮沢:10月は、沖縄の読谷村の『くるちの杜100年プロジェクトin読谷』があるんです。琉球黒檀という木、くるちといいますけど、この木が枯渇していまして。この木は沖縄の三線のネックに用いれます。くるちが最良のものとされているんです。ただ、取り尽くしたのと、戦争で燃えてしまったのとで、95~96%を輸入に頼っているんです。沖縄の魂と言われている三線が輸入の材料で、ボディのニシキヘビも輸入ですから、原産の材料じゃないということで「だったら植えていこう」と僕が5年くらい前から植樹活動をしています。3000本ほど植えて、草刈りしたりお世話して成長を見守っているんですけど、三線になるまで100年、200年、もっというと300年くらいかかるんです。気の遠くなる話なのですが、10月は毎年育樹祭式典を、2年に1回は音楽祭を行います。来年はちょうどその音楽祭にあたるので、10月は読谷村にいらしていただきたいと思います。

■沖縄戦の真実を知って作った曲『島唄』

オンエアでは戦世(いくさゆ)といわれる時代の、戦争にまつわる沖縄の音楽を紹介しました。さらに宮沢がTHE BOOMの『島唄』について思いを語りました。

宮沢:『島唄』という歌も沖縄戦というものを知って、そのあとに書いたものです。恥ずかしながら僕は沖縄に行くまで、沖縄でどういう戦争が行われていたのかというのはちょっとは知っているけど、正直、本当に知らなくて。戦争の爪痕をまわって、資料館をまわって、4人に1人が亡くなったこと、敵国の兵士も含めて20万人が亡くなったこと、そして集団自決や自分たちで自害するケースも非常に多かったことなど、耳を疑いたくなるような出来事を知りました。

沖縄戦の痕跡を自らの足でたどり真実を知った宮沢は、さまざまな形の怒りがこみあげてきたと回想します。

宮沢:こみあげてきた怒りは、「誰のせいなのか」ということ。どうしてこういう結末になってしまったのか。その原因は、内側にあるんじゃないかと、そこに怒りを感じた。また、どうして教育でこういう大事なことを僕らに教えてくれないんだろうという怒りもありました。自分自身に対して、「なんで俺たちはこんな大事なことを知らないんだろう」という怒りも。亡くなった人たちの上に戦後の復興があるとするならば、僕らの命は彼らの犠牲と引き換えにあるんじゃないかと思いつめたんです。自分の命すらも誕生したことへの疑問みたいなところに行き着いてしまって、非常に息苦しくなって、この怒り、疑問を鎮めるためにどうしたらいいんだろうといったときに、僕はプロの音楽家でしたから「曲を作ろう」ということで作ったのが『島唄』という曲です。

『島唄』の歌詞には、宮沢が自らの目でみた写真などから強く心に残ったシーンとともに、平和の思いが込められています。

宮沢:「海よ 宇宙よ 神よ いのちよ このまま永遠に夕凪を」という部分が僕の一番言いたいところです。この島に、日本に、世界に、波風が立たずにずっと永遠に戦争のない夕凪、凪の時代であってほしいという祈りを込めた歌です。曲の出だし「でいごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た」というところは読谷村の海のシーンなんです。読谷村にものすごい数のアメリカ艦隊が岸に押し寄せてくる写真があるんですけど、それが強烈で目に焼き付いて離れなかったんですよね。このシーンを『島唄』の最初のシーンにしようということで、書き始めたんです。でいごの花がたくさん咲いた年は台風が多いと沖縄では言われているんですけど、1945年の4月というアメリカ軍が上陸してきた日、この年はでいごはたくさん咲いてしまったから、アメリカ艦隊という鉄の嵐が押し寄せてきたのではないかという詞なんです。

多くの人たちにカバーされ、歌い継がれている『島唄』。歌詞に刻まれた沖縄戦の真実を噛みしめながら、宮沢がこの曲に込めた平和へのメッセージを改めて感じ取ってみてください。

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【番組情報】
番組名:『MESSAGE FROM UTAKATA』
放送日時:水曜 26時−26時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/utakata/

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