諫早駅前にウナギと地酒のコラボ店 11月9日オープン

 2022年度の九州新幹線長崎ルートの暫定開業を控え、長崎県諫早市の諫早駅前のにぎわいを復活させようと、地元の会社経営者4人が再開発を手掛ける新会社「四面みらい開発」を設立させた。プロジェクト第1弾として、同市永昌東町商店街内の空き店舗をリニューアルし、諫早名物のウナギと同市唯一の蔵元「杵の川」の酒を気軽に味わえる“コラボ”店舗が11月9日オープンする。
 同駅東口周辺は、市が事業主体の再開発ビル2棟の建設が進む。同駅と諫早神社(宇都町)の間に位置する同商店街は、高齢化や後継者不足で閉店が相次ぐ一方、住み慣れた地域での生活を望む店主が多いという。
 「四面みらい開発」は、空き店舗を生かして、諫早の魅力を発信する飲食店や物産店などを誘致しようと6月に設立。社名は四面宮といわれる諫早神社に由来する。本田一修(かずのぶ)社長(68)は「今のままではいけないと思い、独自で活性化に動く」と述べ、今後も店舗誘致を展開する。
 第1弾は、永昌東町で米穀店を営んでいた店舗と作業場(約72平方メートル)を改装し、ウナギ丼とウナギ串を提供する飲食店「まんまる」(内田輝美社長)と「杵の川」(瀬頭信介社長)のアンテナショップを兼ねた「きき酒処」が入居。県産木材を使った内装は落ち着いた色調で統一した。元米穀店主らは同じ建物の住居部分で生活する。
 ウナギは、内田社長(51)の夫が経営する卸・加工業「諫早淡水」から仕入れる鹿児島、宮崎産の養殖もの。「昔は家族そろってウナギを食べに行けたが、今は高価になり、幅広い世代に楽しんでほしいという思いを込めた」と内田社長。
 「杵の川」初の直営店となる「きき酒処」は、同社自慢の酒を「角打ち」で提供。瓶入りも購入できる。瀬頭社長(48)は「諫早の玄関口を充実させるお手伝いができたら」と話す。
 営業時間は「まんまる」が午前11時~午後2時、午後5時~9時、「きき酒処」が午前11時~午後9時。月曜定休。

11月9日のオープンに向けて準備を進めている(右から)内田社長、本田社長、瀬頭社長=諫早市永昌東町

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