安全安心まちづくり 総理大臣表彰 南高愛隣会 ダイヤランドまちづくり連絡協

 諫早市の社会福祉法人南高愛隣会(田島光浩理事長)と長崎市のダイヤランドまちづくり連絡協議会(中野敦之会長)が、本年度の安全安心なまちづくり関係功労者内閣総理大臣表彰を受賞した。11日、首相官邸で授与式があり、両団体を含め全国計16団体が表彰された。両団体に活動の内容や受賞の感想を聞いた。

◎「累犯障害者」を支援
 南高愛隣会は、本年度創設された再犯防止活動(全国8団体)で受賞。全国に先駆けて、罪を犯した障害者・高齢者の更生支援に取り組んだことが高く評価された。田島光浩理事長は「すべての職員がそれぞれの持ち場で力を発揮し、協力し合ったことが受賞につながった」と喜びを語る。
 同会は1977年設立。障害者向けの生活介護や就労支援など県内で67事業、47事業所を展開している。2009年、刑務所を出た障害者に衣食住を提供し、社会復帰を手助けする更生保護施設「雲仙・虹」を開設。刑務所を出所した障害者・高齢者を福祉につなぐため、各都道府県に設置された「地域生活定着支援センター」の制度設計などにも大きく貢献した。
 これまでに支援した、いわゆる「累犯障害者」は800人以上。この分野の草分けであり、現在も全国をリードする存在だが、同理事長は「取り組みは途上」と語る。「『愛隣会だからやれる』と言われるのではなく、全国どこでも通用する仕組みが必要。福祉に携わる人たちが一生懸命自分たちの仕事をして、その結果、再犯防止につながればいいと思っている」

◎地道な活動 次世代へ
 ダイヤランドまちづくり連絡協議会は、防犯活動部門(全国8団体)で受賞。同協議会は「安全で安心して暮らせる町」の実現を願う住民の声で誕生し、今年で15年目を迎えた。中野敦之会長は「『できることを、できるときに、できるだけ』が基本。身の丈に合った活動を継続してきた成果が認められ、言葉にできないほどうれしい」と目を細めた。
 ダイヤランド内の五つの自治会や老人会、学校など40近い団体で構成。大半の住民はいずれかの団体に所属し、全員参加型のまちづくりに取り組んでいる。
 さまざまな活動を展開し、犯罪抑止の一端を担ってきた。小学生の下校時に町内を巡回する青色パトロール活動は、年間250日以上。清掃活動やウオーキング大会などを定期的に開き、住民同士がつながる場もつくっている。
 活動のけん引役は高齢者が中心。中野会長は「若い世代にはしっかり働いてもらい、私たちは地域を守っていく」。そう使命感を語る一方、「次にどうバトンを渡していくかが課題」。今後も地道な活動を続け、「住民主役のまちづくり」の思いを次世代に伝えていく考えだ。

受賞の喜びを語る田島理事長(左)と酒井龍彦常務=諫早市福田町
これまでの活動を笑顔で振り返る中野会長(右)と役員の高木豊雄さん=長崎市ダイヤランド4丁目

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