黄金に輝く「梅ゼリー」 樹上で完熟、風味段違い

 「こんなのあるんだ!大賞」北信越ブロック代表に選ばれたのは、「金ノ梅ノ美『黄金の梅』のまるごと生ゼリー」。梅ゼリーってよくあるような…そんな第一印象は、一口食べるごとに変わっていき、食べ終わるごろには「こんなに梅が〝濃い〟ゼリーは初めて」。代表の名に恥じない商品だ。

完熟した黄金の梅

 「金ノ梅ノ美ー」は福井県越前市の新珠食品が製造、販売している。その売りはもちろん、県内の農家が生産する黄金の梅をたっぷりと使っていることだ。黄金の梅は、福井生まれの「新平太夫」という品種を樹上で完熟させ、ネットに自然落下したもののうちサイズなどの基準を満たしたものだけが名乗ることのできるブランド梅。

 新珠食品の杉本正一社長によると、その特徴は濃厚な甘みと桃に似た香り。青いうちに収穫した梅に比べると段違いだという。一方で、完熟してから収穫するため〝足が速く〟、広く流通できないことが生産者たちの悩みの種だった。

 福井県の主催する商談会でその存在を知った杉本社長。「梅が傷む前に加工することで、おいしさを最大限に引き出せる」と商品化に取り組んでいく。これまでにジャムやバウムクーヘンなどを販売。そして、2015年から売り出しているのが「金ノ梅ノ美『黄金の梅』のまるごと生ゼリー」だ。

 製法のこだわりは着色料を使わず、梅本来の味と色を生かすこと。一つ一つへたを取り、皮をむく「見るも涙の」(杉本社長)手作業を経たゼリーは、梅の色そのままに黄金色に仕上がった。

「金ノ梅ノ美『黄金の梅』のまるごと生ゼリー」

 よく冷やしたゼリーをスプーンですくって口に含む。甘みとともに、梅の心地いい酸味が広がっていく。ゼリーには梅の実が溶け出していて、どこを食べても梅、梅、梅。さらに実も一つ入っているので、杉本社長が「一番おいしい」と話す種まわりの果肉をしっかり味わえる。

 杉本社長によると、他の加工品に比べ梅を使う量が多いことから、ゼリーの販売増は農家の収入増加にも結びつく。現在は手作業のため生産量は限られているが、今後は機械化なども検討していくという。杉本社長は「今後も農家の方と協力していいものを作り続けていきたい」と話している。

 (47NEWS 松森好巨)

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