クラウドファンディング大手がSDGs関連事業を展開

Photo by rawpixel on Unsplash

クラウドファンディング大手のREADYFOR(レディーフォー、本社:東京・文京)は10月17日、第三者割当増資により約5.3億円の資金調達を行うと発表した。同社は、既存の金融サービスでは対応しにくい分野であるNPOや医療機関、科学研究分野などにクラウドファンディングを通じた資金調達の手段を提供してきた。今後はSDGs関連事業やローカルパートナーシッププログラムなど、「社会を持続可能にする新たな資金流通メカニズムの確立を目指す」という。 (辻陽一郎)

持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、多くの企業や団体が取り組みを始めている。だが、国連貿易開発会議(UNCTAD)によれば、SDGsを2030年までに達成するには、毎年2兆5千億ドルの大きな資金ギャップがあると試算されており、必要な資金の調達が急務である。

READYFORは2011年、クラウドファンディングサービスを開始してから約7年で9000件以上のプロジェクトを掲載。70億円以上の資金が集まった。今回の資金調達によって、「テクノロジーとビジネスアイデアを用いて、短期的な利潤の追求だけからは生まれない、『社会を持続可能にする新たな資金流通メカニズムの確立』」を目指していく。

これまでにも同社は、企業のCSR資金を社会性の高いプロジェクトを実施する団体とマッチングする事業を行ってきた。今後は、SDGs達成に寄与する活動を行う団体と企業のマッチングを展開。READYFORに蓄積したデータ活用を通じて、SDGs達成に貢献するような事業を企業とコラボレーションしていくことも検討している。同社広報担当は「READYFORの中にあるデータを活用し、より社会にインパクトを出せる取り組みを作っていきたいと考えている」と話した。

SDGs関連事業以外に、地域での創業や地域の活動に流れるお金の量を増加させるため、「ローカルパートナーシップの強化」や、クラウドファンディング実行者が支援者と長期的な関係性を築けるようなサポートを行う「ファン・リレーション・マネジメント」ツールの開発も行う予定だ。

© 株式会社博展