読書量が多いほど学力向上、算数で顕著…小学生の実態調査

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学力の変化(4教科の偏差値平均、読書量別)

読書は学力が低い子どもたちにプラス効果が大きく、たくさん読書をしている子どもほど学力が向上することが、ベネッセ教育総合研究所が2018年10月26日に発表した調査結果より明らかになった。読書量は特に「算数」で偏差値の変化の差が大きいという。

ベネッセコーポレーションの社内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」は、電子書籍の読書履歴と学力テストやアンケート調査の結果をもとに、読書が学力や学びの姿勢にどのような影響を与えているのか、その変化を追跡する調査・研究を開始した。

読書量が学力に与える影響について、2016年8月から2017年12月にかけてパネルデータが構築できた小学5年生4万2,696人(調査終了時は小学6年生)を対象に、1年4か月にわたって追跡調査を実施。読書量ごとに、0冊「読書なし」、1~2冊「読書少ない」、3~9冊「読書中くらい」、10冊以上「読書多い」の4グループに分けて分析した。

分析の結果、読書量が多い子どもほど4教科の偏差値平均が向上した。「読書多い」は平均で1.9ポイント増加したのに対し、「読書なし」は平均で0.7ポイント減少した。

教科別に偏差値の変化を見たところ、国語・算数・理科・社会のいずれの教科も「読書量」と「偏差値の変化」に有意差があった。「読書多い」グループがもっとも偏差値を高めている。教科の中でも特に算数は、「読書なし」と「読書多い」で4.8ポイントの差がつき、学力に大きな影響が見られた。

学力テストの結果をもとに子どもたちを3グループに分け、各学力層によって読書の効果が異なるのか、読書量を計測後に偏差値の変化を確認したところ、学力が低い子どものほうが読書の効果が大きかった。

ベネッセ教育総合研究所では、今後、より詳細な読書履歴のデータを分析する予定。「どのような子どもがいつ、どのような種類の本を読んでいるのか」「その体験がとのような資質・能力につながっているのか」といった研究を深め、明らかになったことを社会に発信して、子どもたちのよりよい読書環境づくりに役立てていきたいとしている。

工藤めぐみ