「製造責任話し合って」 カネミ油症被害者団体 カネカに要望書 持参も受け取られず

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 全国のカネミ油症被害者の全13団体などは26日、油症の原因物質ポリ塩化ビフェニール(PCB)を過去に製造したカネカ高砂工業所(兵庫県高砂市)に、製造責任などについて対話する機会を設けることなどを求める要望書を提出しようとしたが、カネカ側は受け取らなかった。被害者側は今後、郵送する予定で「対立するのでなく、共に過去を振り返り未来について対話していきたい」としている。
 カネミ油症事件は、カネミ倉庫(北九州市)製米ぬか油の製造過程で熱媒体のカネカ製PCBが混入し、1968年10月に発覚。油を食べた人は多様な健康被害に見舞われた。過去の民事訴訟で敗訴が確定したカネミ倉庫は、認定患者の医療費などを負担。カネカは「法的責任がない」として救済策を講じていない。被害者側はカネカが将来的に被害者救済の枠組みに加わることを目指している。
 要望書は油症被害者の13団体とカネミ油症被害者支援センター(YSC、東京)、趣旨に賛同する「高砂共催市民の会」の連名。カネカの責任者と油症被害者、高砂市民が話し合う場を設置し、高砂工業所内のPCB保管状況などを見学する機会を設けるよう要望。また、被害者団体などは12月1日に油症やPCB処理問題をテーマにした集会を高砂市で開く予定で、カネカの責任者が参加することなども求めている。
 油症被害者関東連絡会の鈴木文史朗さん(56)ら6人が高砂工業所の正門前にある受付を訪ねたが、窓口の担当者が要望書を受け取らなかったため、鈴木さんが読み上げた。鈴木さんは「今回の行動はカネカと接点を持つための第一歩。油症やPCBの問題をなかったことにするのではなく、少しずつでも私たちと向き合ってほしい」と話した。

工場の正門前にある受付に向け、要望書を読み上げる鈴木さん(右)ら=兵庫県高砂市、カネカ高砂工業所