BSL4施設の安全対策を説明 長崎大、周辺住民に

 エボラウイルスなど特に危険な病原体を扱う感染症研究施設「バイオセーフティーレベル4(BSL4)」の建設を計画している長崎大は26日、周辺住民や有識者らと意見を交わす地域連絡協議会を開き、施設外に病原体が出るリスクや安全対策をあらためて説明した。
 長崎大は早ければ12月21日にも坂本キャンパスで着工予定。協議会では、病原体が実験室外へ出る恐れがある事象として109例が想定され、このうち実験者が感染し人を介して施設外に出るリスクが最も高いと説明。対応マニュアルの作成・訓練や作業者2人での安全確認などの対策を示した。
 委員からは「過重勤務などでヒューマンエラー(人為的なミス)が起こりやすい。研究者は労働者という認識が薄く研究にはまり込みがちなので、勤務の規制スケジュールをつくらないといけない」などの意見が出た。このほか「国民の命を守るためにも施設が必要」「安全対策やマニュアルを順守する仕組みを(大学側が)示さない限り着工はできない」などと施設への賛否の意見が聞かれた。

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