甲子園不出場でのドラフト指名は16人 2018年“雑草”組の活躍に期待

2018年ドラフト会議は計11球団が根尾昂、藤原恭大、小園海斗(左から)と甲子園で活躍した高校生3人に1位入札するという展開となった【写真:荒川祐史、編集部】

中日、阪神、ヤクルトは不出場選手なし

 計11球団が根尾昂、藤原恭大、小園海斗と甲子園で活躍した高校生野手3人に1位入札するという展開となった2018年ドラフト会議。人気の吉田輝星投手も日本ハムに1位指名され、5球団が高校生を1位指名した。そんな中、甲子園不出場でドラフト指名選手された高校生が育成含め16人いる。「甲子園不出場組」の指名選手を追ってみた。

 今年、高校生は支配下36人、育成9人の計45人が指名を受けた。支配下、育成含め計104人の指名選手の43%を高校生が占める。

 その中で、学年、春夏関係なく甲子園に出場経験がある選手は27人。母校は甲子園に出場したが、出場機会がなかった選手が2人、甲子園に縁のなかった選手は16人。当然のことながら、甲子園に出場して活躍した選手が中心の指名にはなるが、素材の良さから指名を受ける不出場組も多い。球団ごとに見てみよう。なお、中日、阪神、ヤクルトは甲子園出場経験のある選手のみで、不出場組はいない。

〇広島 甲子園組3人、不出場2人

 4位・中神拓都内野手、5位・田中法彦投手が甲子園不出場。中神は岐阜大会準決勝敗退、田中は三重大会3回戦敗退。

〇巨人 甲子園組8人、不出場1人

 不出場組は育成ドラフトで指名された。育成2位の平井快青投手は岐阜大会準決勝で敗退した。

〇DeNA 甲子園組1人、不出場2人

 支配下2人が甲子園不出場組。4位・勝又温史投手は夏の甲子園西東京大会決勝、5位・益子京右捕手は同栃木県大会準決勝で敗退。

甲子園不出場選手の方が多い西武、ソフトバンク、楽天

〇西武 甲子園組1人、不出場2人

 5位・牧野翔矢捕手は石川県大会準々決勝敗退。育成2位の大窪士夢投手は、昨年夏に学校が甲子園出場したが自身の出場歴はなく、南北海道大会準々決勝敗退の今年も控え投手だった。

〇ソフトバンク 甲子園組1人、不出場3人

 5位・水谷瞬外野手は島根県大会決勝で敗退。育成1位の渡辺陸捕手は2年時に学校が夏の選手権に出場しているが、自身の出場歴はなし。育成4位の中村宜聖外野手は南福岡大会3回戦で敗退。

〇日本ハム 甲子園組4人、不出場1人

 今夏の甲子園のスターを次々と指名したが、5位・田宮裕涼捕手が唯一の不出場組。東千葉大会決勝で敗退した。

〇オリックス 甲子園組1人、不出場1人

 5位の宜保翔内野手が不出場。沖縄大会4回戦で敗退した。

〇ロッテ 甲子園組3人、不出場1人

 6位・古谷拓郎投手が不出場。西千葉大会準決勝で敗退した。

〇楽天 甲子園組0人、不出場3人

 3位・引地秀一郎投手は岡山大会準決勝敗退。5位・佐藤智輝投手は山形大会3回戦で姿を消した。育成1位の清宮(せいみや)虎太朗投手は、西千葉大会2回戦で敗退している。

 現役選手の中で、甲子園不出場ながら高校からプロ入りして活躍中の選手には、投手で千賀滉大、五十嵐亮太、内川聖一(ともにソフトバンク)、中村剛也(西武)、鈴木誠也(広島)、中島宏之、T-岡田(ともにオリックス)らがいる。甲子園で活躍してもしなくても、全員が同じ地点からのスタート。高校時代に悔しい思いをした分、プロで成功する“雑草魂”を持った選手はこの中から出てくるだろうか。(Full-Count編集部)

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