増えすぎたツシマジカ・3 捕獲シカ肉どう活用 旅行客への提供研究

 捕獲したシカをどう処理するか。これも課題だ。対馬市美津島町鶏知(けち)の料理店「猪鹿鳥(いのしかちょう)」では開店当初から対馬産ジビエ(野生鳥獣肉)を提供。最近はイノシシの焼き肉が韓国人観光客に好評で、大浦孝司代表(65)は「今後、シカ肉をいかにおいしく料理できるか研究したい」と話す。
 大浦代表は対馬猟友会会長で、店は2009年にオープン。猟友会会員から購入したイノシシを自社の施設で解体し、バーベキューとして提供してきた。数年前からは韓国の旅行会社に売り込み、昨年は約1万9千人の韓国人観光客が来店。200頭近いイノシシを解体したという。シカは店では提供していないが、約100頭を精肉加工し、関東などの卸業者に配送している。
 韓国京畿道の旅行会社社長、李東韓(イトンハン)さん(60)は「対馬のイノシシは脂が乗っておいしい。シカ肉はヘルシーと聞いており、シカ料理もあれば食べてみたい」と話した。

対馬産イノシシの焼き肉を楽しむ韓国人ツアー客=猪鹿鳥

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