10月から海外解禁 雑貨や玩具など 類似商標登録相次ぐ中国、法的措置に時間も

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県の認定を受け、台湾の企業が発売したくまモンのイラスト入り「熊本不知火ソフトクリーム」(ユニー・ファミリーマートホールディングス提供)

 くまモン関連商品について、海外企業も有料でイラストを利用できる制度が10月から全面解禁された。県には300件超の利用申請や問い合わせが寄せられているものの、許可件数は、アジアの4カ国・地域の15件にとどまっている。関心の高い中国で第三者による類似の商標登録が相次ぎ、法的な対抗措置に手間取っていることが影響しているという。

 県によると、26日現在、利用を許可した15件の内訳は、中国7、香港5、台湾2、東南アジア諸国連合(ASEAN)1。香港では高級牛丼チェーン店が県産黒毛和牛キャンペーンのポスターにくまモンを起用。台湾ではソフトクリームの容器、中国ではスマートフォンのゲームアプリで認めた。

 県は、くまモンの海外利用の申請窓口を東京と海外3カ所に設置。相談や利用申請は中国が最多の約200件、東京が約100件、台湾と香港が計40件寄せられている。

 マグカップや皿などの雑貨や玩具が目立ち、「大手企業の引き合いもあり、関心は高い」と県くまモングループ。近く韓国とタイにも申請窓口を開設する予定で、アジア全体へのくまモン浸透を狙う。

 ただ、最大市場の中国では商標登録が厄介な問題となっている。県は、中国でくまモンのイラストと日本語表記に加え、2種類の外国語表記を商標登録しているが、県と全く関係ない第三者による登録が相次ぎ、申請中を含めると200件を超える。

 県は1件ごとに無効審判請求や異議申し立てなどで対抗。不正利用を徹底排除する方針だが、著作権で守られたイラストに比べて類似商標が多い文字は判断が難しく、法的な決着には時間がかかり、県への申請を逆に許可できない状況にあるという。

 同グループは「今は、正規ブランドを確立するための“生みの苦しみ”の段階。法的手続きを終えたものから順次利用を認めていく」としているが、当分、海賊版対策に頭を痛めそうだ。(野方信助)

(2018年10月29日付 熊本日日新聞朝刊掲載)