勝ってくれ!V長崎<運動部デスクノート>

 J1第30節、V・ファーレン長崎-磐田戦。0-0の前半35分、GKと1対1になったV長崎のファンマ選手のシュートが阻まれるのを見た瞬間、思わず「あーっ」と絶叫した。試合はドローに終わり、勝ち点1を加えるにとどまった。

 J1残留争いが白熱している。V長崎は勝ち点29の最下位。残留圏内の15位磐田とは勝ち点5差、16位鳥栖、17位柏とは4差だ。残りは4試合。降格を免れるためには、白星を重ねるしかない苦境に立つ。

 J2だった昨季、V長崎は第30節以降を10勝3分けで駆け抜けて昇格を果たした。ラストワンプレーでの決勝弾など神懸かりとも思える快進撃だった。当時とはメンバーも、対戦相手のレベルも違う。それでも、あの「奇跡」の再現を願わずにはいられない。

 高木琢也監督の国見高時代の恩師、小嶺忠敏氏(現長崎総合科学大付高監督)は著書の中で、信念の一つに「不可能を可能にする、チャレンジ精神」を挙げている。「最善の準備をしたあと、本当に勝利をつかめるかどうか、それは『運があるか、ないか』に尽きる」とも。とにかく、望みはまだ十分ある。走って走って、勝ってくれ! V長崎。

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