熱中症搬送、過去最多に 高齢者住居で多く 5~9月、県内で4710人

 県内で5~9月に熱中症の症状で救急搬送された人数は過去最多の4710人に上ったことが、県消防課のまとめで分かった。同課は「猛暑だったことを裏付ける数字」と受け止めている。

 熱中症搬送者の集計は2008年に始まり、当初は7~9月が対象だった集計期間は開始時期が徐々に前倒しされている。こうした統計上の課題はあるものの、これまでで最も多かった13年6~9月の3200人を大幅に上回り、昨年5~9月に搬送された2157人の2倍以上となった。

 今年は気温の高い日が続いた7~8月に90%以上が集中。場所別では住居(敷地内を含む)が最も多い1817人を数え、年齢別は65歳以上の高齢者が1992人と、それぞれ搬送者全体の約4割を占めた。

 症状の程度は軽症が約6割の2854人だったが、横浜市内で1人が死亡したほか、3週間以上の入院となる重症が116人、短期入院が必要な中等症は1739人だった。

 地域別では横浜市の1710人が最も多く、川崎市584人、相模原市453人などが続いた。

 また、総務省消防庁の集計では、全国の搬送者数も9万5137人と過去最多となり、死者は160人に上った。都道府県別では東京の7843人が最多。神奈川は、大阪、愛知、埼玉に次いで5番目だった。

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