警察官名乗りキャッシュカード窃取 長崎県警が注意呼び掛け 諫早の女性300万円被害

 長崎県警は29日、警察官や金融庁職員を名乗る男から電話を受けた諫早市内の70代女性が、キャッシュカード2枚をだまし取られたと発表した。カードを使って、女性の口座から複数回にわたり計300万円が引き出されており、県警は窃盗事件として捜査している。県警によると、27日から29日にかけて、同市と西彼長与町で同様の不審電話が計35件確認されており、注意を呼び掛けている。
 県警捜査2課によると、27日正午すぎ、警察官を名乗る男から女性宅に「偽造カードでお金が引き出されているかもしれない」と電話があった。その後、金融庁職員をかたる男から「カードの暗証番号を変えないといけない」などとうそを言われ、カードと暗証番号を書いた紙を用意するよう指示された。
 同日夕、同庁職員を名乗る男が女性宅を訪問。カード2枚と紙を封筒に入れさせ、女性の隙を見て別の封筒とすり替えて窃取したという。女性は「封筒は3日間開けないで」と指示されたが、不審に思って28日に警察に連絡し、盗まれたことが分かった。県内外で計300万円が引き出されていたという。
 こうした手口での被害が県内で確認されたのは初めて。同課は「金融庁職員らがカードの変更手続きなどをさせることは絶対にない。警察に相談してほしい」と注意を呼び掛けている。

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