マタニティマーク、妊婦と赤ちゃんどうなった?

By 関かおり

厚生労働省が普及を進めるマタニティマーク

 ピンク色のハートマークに包まれた妊婦と赤ちゃんが描かれた「マタニティマーク」。妊婦がかばんにつけるキーホルダーとしてすっかりおなじみになったが、自治体が配布するお薬手帳に「『続き』が描かれている」と話題になっている。

 マタニティマークは2006年に公募でデザインを決定し、厚生労働省が普及を推進している。公共交通機関で周囲が配慮しやすくするなど妊産婦に優しい環境作りが目的で、内閣府が14年に実施した調査によると20~30代でのマークの認知度は約7割にのぼった。

 このマークの「続き」を企画したのは、全国の自治体にマタニティマークのステッカーを配るなどの活動に取り組むNPO法人「ひまわりの会」。自治体の窓口で配る「母子のためのお薬手帳」の表紙に、あの妊婦が出産し、赤ちゃんを抱いて笑顔で医師の診察を受けている姿をデザインした。

NPO法人「ひまわりの会」が企画した「母子のためのお薬手帳」
「ひまわりの会」が運用する「母子健康手帳アプリ」

 「ひまわりの会」の岩田文雄事務局長によると、17年にそれまで配っていた妊婦向けの冊子を「母子のためのお薬手帳」に変更。妊娠中から産後の期間に使用することを想定しており、新生児の薬の記録もつけられる。「ステッカーと関連性のあるデザインがいい」と考え、マークと同じデザイナーを起用した。ほとんどの自治体で母子手帳やステッカーと一緒に配布している。受け取った妊婦がツイッターに投稿したことがきっかけで話題となったという。岩田さんは「企画当初から『続き』と明確に意識していたわけではないが、産後も赤ちゃんと一緒に使える手帳なので、生まれた後の様子を描いた」と企画の経緯を説明し「関心を持ってもらえたのはありがたい」と語った。今後はステッカーやお薬手帳の配布のほか、成長に合わせた情報が得られる「母子健康手帳アプリ」の運用にも力を入れる。 (共同通信=関かおり)

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