FA市場の目玉・ハーパーは1年契約を結ぶべきなのか

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今オフのフリーエージェント市場の目玉と目され、史上初となる「4億ドルプレイヤー」の誕生も期待されているブライス・ハーパー(ナショナルズ)だが、不本意なシーズンを過ごしたこともあり、物事は思い通りに進みそうにない。今オフは1年契約を結び、納得のいくシーズンを過ごしたあと、改めてフリーエージェント市場に打って出ることを勧める声もあるようだ。

今季のハーパーは4年連続6度目となるオールスター・ゲームに選出されたものの、前半戦は打率.214、23本塁打、OPS.833という大不振。後半戦に打率.300、11本塁打、OPS.972と持ち直し、最終的にはリーグ7位タイの34本塁打、リーグ8位の100打点、リーグ10位のOPS.889をマークしてシーズンを終えたが、物足りなさは否めない。同じくフリーエージェント市場の目玉として注目されるマニー・マチャド(ドジャース)が打撃成績の各部門で自己最高の成績を残したのとは対照的だった。

こうしたハーパーの不振に加え、近年のフリーエージェント市場が長期大型契約を敬遠する傾向にあること、チーム構成的にハーパーがフィットしそうな球団がそれほど多くないことなどを考慮すると、10年総額4億ドルのような超大型契約が実現する可能性は極めて低いと言わざるを得ないだろう。しかも、マチャドは今季途中にオリオールズからドジャースへトレードされており、クオリファイング・オファーの対象にならないというアドバンテージを有している。ハーパーがナショナルズからクオリファイング・オファーを提示されるのは確実であり、ハーパーを獲得した球団は来季のドラフト会議における上位指名権を犠牲にしなければならないが、それを嫌うチームもあるだろう(マチャド獲得の場合はドラフト指名権の喪失を心配する必要がない)。

よって、希望通りのオファーが得られない場合、ハーパーにとってのベターな選択肢は好成績を残したあとに再びフリーエージェント市場に挑戦することである。ハーパーはまだ26歳。自身の価値が下がっている今オフに慌てて長期契約を結ばなくても、好成績を残して1年後に好条件の長期契約を得ることは十分に可能だ。ただし、他球団がハーパーとの1年契約のためにドラフト指名権を犠牲にすることは考えにくく、結果的にナショナルズとの再契約が最も有力な選択肢となるのではないだろうか。