トピー工業・豊橋製造所、25日に製鋼工場で設備損傷

 トピー工業(社長・高松信彦氏)は30日、豊橋製造所(愛知県豊橋市)の製鋼工場で先週25日午後6時ごろに電気炉内で異常反応が起き、設備を損傷する事故が発生したと発表した。人的被害はなかった。30日現在、製鋼工場は稼働を停止し、原因を調査中。圧延工場は半製品在庫を使って稼働している。同社では復旧時期は未定とし、早期復旧に向けて資機材の調達や工期短縮に努めている。半製品については同業他社に供給要請を行っている。

 25日の事故当時、製鋼は操業中だった。電気炉本体や周辺設備の一部が損傷。具体的には炉の耐火物や冷却設備、ダクトなどが被害を受けたとしている。

 事故が起きたのは2015年3月に本格稼働した最新鋭の交流(AC)式200トン電気炉。スクラップの予熱用シャフトを備えた国内最大の「エコアーク」炉で、現状は月産約8万トンペースで生産を行っていた。

 新製鋼の稼働によって豊橋製造所は棒鋼用ビレットを含む半製品の完全自給化を達成していた。半製品は同所内の三つの圧延工場(大形、中形、棒鋼)に供給されており、形鋼や棒鋼のほか、履帯用の履板やホイール用のリムなど社内材の供給に影響が見込まれる。

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