想像裏切る味わい 「麴屋の甘酒カレー」

 商品名を聞いたときに、正直戸惑った。

  「こんなのあるんだ!大賞」九州・沖縄ブロック代表に選ばれた「麴屋の甘酒カレー」である。

  甘酒が「飲む点滴」といわれるほど栄養価が高いと言っても、どんな食材でも受け入れる懐の深さがカレーにはあるとしても、これはどうだろう? 話題性狙いなのだろうか?

  そもそも味が想像できない。甘いの? 辛いの? あれこれ考えても仕方が無い。実際に食べてみよう。

 

「麴屋の甘酒カレー」

 レトルトパウチの甘酒カレーを熱湯で温めて、炊きたてのご飯に掛ける。

  まずは、ルーを口にする。

  甘い。でも、甘ったるくはない。自然な、そして奥深さを感じる甘みだ。  

 もう一口。

  スパイスが存在感を主張してくる。かなり、スパイシーだ。

  さらにもう一口。

  口を襲うような辛さはない。あくまでもまろやか。だが、時間とともにじんわり、そしてくっきりと辛さがたってくる。これは大人向けのカレーだ。

  ご飯と一緒に食べる。

  甘さ、スパイス、辛さが絶妙のバランスで止まらなくなる。気づけば、体の中が熱くなって、じんわり汗ばんでいた。

  販売している「河内菌本舗 河内源一郎商店」の開発のきっかけなどについて聞いた。同社は鹿児島県霧島市にある、創業100年を超える老舗種こうじメーカーだ。担当の方によるとグループ会社が運営するこうじ料理専門レストランが開発したという。

  塩こうじ、醤油こうじ、こうじ卵…。こうじを用いた食材をいろいろと試したが、最も合ったのが商品名にもなっている「麴屋の甘酒」だった。米とこうじのみで作ったこの甘酒は強いとろみが特徴で、飲むのではなく食べるのだという。事実、このとろみがカレーにこくを加えて、良いアクセントになっている。

  カレーの肉には自社農場でこうじを混ぜた飼料で育てた「黒麴豚」を使用している。食材にもこだわっているのだ。同時に、話題性を狙って作ったのでは、などと考えていた自分が恥ずかしくなった。

  担当の方によると、チーズや温野菜、ゆで卵などをトッピングしてもおいしいという。あれこれ試して、自分好みの組み合わせを見つけるのも楽しそうだ。

  (47NEWS 榎並秀嗣)

   商品情報はこちら。https://www.47club.jp/47M-000039onn/goods/detail/10114669/

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