長崎県立図書館 貸し出し終了 11月中は閲覧、返却可能

 長崎県と大村市が建設している「県立・大村市立一体型図書館」(仮称)=愛称・ミライon図書館=の整備に伴い、県立長崎図書館(長崎市立山1丁目)は30日、本の貸し出しを終了した。利用者からは惜しむ声が相次いだ。
 この日、長崎図書館では、最後の貸し出しとなる本をたくさん抱えカウンターを訪れる利用者が多く見られた。「きょうで最後なんですね」「今までありがとう」などと言葉を添える利用者の姿も。
 西彼長与町高田郷の無職、堀田武弘さん(77)は「ここは歴史があるし、やはり利用者が多い長崎市に県立図書館はあるべきだった。大村市に移ると簡単に行けなくなる」と語った。
 図書館の職員は「利用者の方もしみじみとした感じだった。11月も(返却などのため)開館しているので利用してもらえればありがたい」と話した。新図書館は来年11月に開館予定。約1年間県立図書館の資料の貸し出しができないことについて、林田誠一館長は「県民のみなさまにはご迷惑をおかけする。新図書館でも知の拠点としての役割を果たしていく」と述べた。
 長崎図書館は12月1日から休館する。11月中は本の閲覧と返却が可能。郷土資料や一部の新聞・雑誌については、来年1月から9月まで現図書館敷地内のこども室で閲覧できるが、その後建物は取り壊す。敷地には「県立図書館郷土資料センター」(仮称)を新たに建設し、早ければ2021年度に開館する予定。

貸し出し最終日に本を借りる利用者(右)=長崎市、県立長崎図書館

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