里咲りさ - 新しい道を作っていきたいなっていうのがモチベーション

2018年以後は新しいことをやっていかないといけない

──昨年9月にZeppでのワンマンを経て今年の4月にPinokkoとして活動を開始し、しかし8月には“里咲りさ”は二度と辞めないと宣言をされています。心境に何か変化があったのでしょうか?

里咲:Zeppを終えてまず、メジャーデビューの話があったんですが、『今は行かなくていい』という結論になりました。でも地下アイドルとしてやれることはやり尽くしたと感じていたんです。“ぼったくり物販”を含め、まとめブログでバズるような活動を3年間やってきた上で、今できることの最大値がZeppワンマンだったんだと思います。2018年以後は新しいことをやっていかないといけないと思って、名前を変えて次のエネルギーを作っていこうと思い、Pinokkoという活動を始めました。

──ウィスパーボイスのPinokko自体は、かねてからやりたかったことなんでしょうか?

里咲:そうですね! カヒミ・カリィとかも好きで…。今まではキャラクターを推して活動してきたのですが、今後は音楽での勝負に挑戦したいです。Pinokkoを始めたことで、里咲りさを改めて客観的に見ることができるようになり、それで“里咲りさ”にはまだ出来る事があると思いました。

──そうして活動を再スタートされたわけですが、そのときの楽曲発売の際に、里咲りさは手売りのCD-Rで、Pinokkoは全国流通でと違いがありますが、それは意図があったんでしょうか?

里咲:単純にやりたいことの方向性の違いですね。ファンの方自体も全然違うんです。Pinokkoの方は里咲のことを全然知らないような邦ロックのファンもいて。地下アイドルとしての売り方は自分でも得意だと思っているんですが、そうではない部分にも挑戦したいですね。

あなたはちゃんとしてる人なのか変わってる人なのかよくわかりませんが…

──大石理乃さんのカバー曲(「中央快速ハミングバード」)は大石さんに憧れがあってということでしょうか?

里咲:2年前ぐらいにバンドでご一緒したときから、公式にカバーしたいと思っていました。再スタートのタイミングだからこそ、大石さんの勢いのある曲をお借りして衝動を表現するのもありかなと思って、カバーさせてくださいって電話したんです。…もうひとつは、JASRACとのやりとりを経験したかったっていうのもあって。JASRACに行ってCD-Rでカバー曲を出すのを相談しに行きました。でもCD-Rで出すだけのような人って連絡しないことが多いらしくて(笑)。だから、「あなたはちゃんとしてる人なのか変わってる人なのかよくわかりませんが…」とか言われたんですけど、すごく丁寧にいろいろと教えてもらいました。

──それはなかなかない経験ですね(笑)。他にも放送作家の小山薫堂さんに原稿を持って行ったり、大学の入学金で起業しちゃおうと思ったり、自分から動いていく姿勢がすごいですよね。

里咲:やってみたいっていう意志があったら、すぐに自分で調べて行動しちゃうかもしれないですね。悪い大人に騙されないように一応は下調べしますけど、「行けばなんとかなるな」ってのが分かれば行動しちゃいます。

──行動には資金が必要なことがほとんどだと思いますが、お金を貯めるのも大変だなあと思っています(笑)。

里咲:全然貯まんないですよね! わたしもお金がない時期はすごくあったのですが、営業の仕事に就職してめちゃくちゃ頑張って半年で貯めました。

──辛い中で諦めないことも大事だったんですかね。

里咲:心が折れそうなときはやっぱりファンの方が、それこそ仕事終わりで疲れている中イベントに駆けつけてくれて、笑ってくれてる姿を見ると、がんばらなきゃなという気持ちになります。

新しい道を作っていきたいなっていうのがモチベーション

──ファンのためにという気持ちがモチベーションになっているんでしょうか?

里咲:昔から、「大きいことをしたい」って言ってて。わたしが中学生だった頃にインターネットが普及し始めて、世の中が大きく変化していくのを肌で感じていたんです。自分も良い変化を世の中に与えていきたいって思っていました。インディーズであろうって決めたのも、ワンマン武道館でできたね! とかオリコンに入ってきてヤバい! ってこととかを起こしていきたいって思ったからなんです。そういう方法で新しい道を作っていきたいなっていうのがモチベーションですね。

──ここ最近で大きなポイントだったのはZeppワンマンかと思いますが、その前後で何か、「変化を起こせた」と思うことはありましたか?

里咲:最近は、事務所を辞めてひとりでいろいろやってますっていう子が増えたような気がします。もちろんわたしだけの影響ではないとは思いますけど、そういう時代になってきたんだなあ、と感じています。

──先駆者のひとりであることは間違いないと思います。ご自身も含めてそのような流れの中にいるという実感があるんですね。

里咲:ひとりでもここまでやっていけるっていうのを見せられたかなとは思います。こういう姿を見て励まされたっていうお手紙をいただいたのは嬉しいですね。ただ反面、ひとりでやってみて嫌な思いをしちゃった子もいて、それは本当に悲しかったし、そういう子が増えないように、と思っています。

──そのあたりは難しいところですが、両方の面があるということが明らかになるのも大事なことではありますよね。メディアへの露出を積極的に行っているというのはやはりツアーへ向けて、というところなんでしょうか?

里咲:ツアーへ向けてというよりはもっと長い目で見て、より多くの点を打っておきたいという感じです。「あ、あのときの人タワレコで展開されてるな」「うっすら気になるな」というみんなの意識を積み重ねた上で決定打をバーンと出せればいいなと思います。ツアー自体にもそのような意味がありますね。

月にいくってどんな気持ちですか? って聞きたい(笑)

──トークやインタビューで、「成績の良い子のスタイルを模倣して自分もトップになった」というエピソードが印象的だったのですが、今も手法として、「模倣する」ことはあるんでしょうか?

里咲:地下アイドルを始めたときもずっと少し上の地下アイドルの方を模倣して活動していたんですが、さすがにZeppを終えてからはなかなかそうもいかず…。そうなるとやっぱりブレてしまって(笑)、ここからはいろんな人の姿を混ぜて、「理想の里咲りさ」をつくっていくのかなと思います。

──だからこそいろんな人とのトークイベントをしようとされているんでしょうか?

里咲:そうなんです! いろいろな方の真似できるところを吸収していきたいです。

──NakedLoftでは『今夜の相方、里咲りさ』をやっていただきますが、イベントはどんな感じになりそうですか?

里咲:いつかホリエモンとか呼びたいです! ZOZOタウンの前澤社長とか! 月にいくってどんな気持ちですか? って聞きたい(笑)。異業種の方に興味があるんです。

最大の力を出したフルアルバムを作るのが目標! 3年以内に武道館!

──今後の展開はどうなっていきそうですか?

里咲:来年5周年になるので、そのタイミングでフルアルバムを出します。今まで培ってきたものを総動員して! 1万枚いけば自分でやった意味があるかなあと思うので…。リリースイベントで枚数を稼ぐというよりは、長く売れていくものをプロモーションしていこうと思っています。ストッパーかけずに、全力でやって、里咲りさの音楽がどれだけ広がっていくかっていう挑戦をしてみたいです。

──そして最終目標は武道館…。

里咲:そうです! 2021年ごろ目標に、3年でやります! 勢いの1年目、安定の2年目、仕上げの3年目というイメージです。

──では来年は勢いの1年目ということですね! あとはPinokkoと里咲りさの対バンなんかも面白そうです!

里咲:いいですね! 全然違う演出で、ジャンルの違うお客さんが半々に入って…。

──より面白いことが広がっていきそうです! 5周年へ向けて、期待しています。

里咲:はい! 狂った感覚のまま、何にも左右されずに、突っ走っていきます! 里咲りさの本気をみせたいと思っています。よろしくお願いします!

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