【MLB】ヤンキースがオフの戦略を確認 FA最大の注目株ハーパーの獲得は見送りか

ナショナルズのブライス・ハーパー【写真:Getty Images】

NYメディアが伝える、ハーパー本人はヤンキースファンを公言も…

 今オフのストーブリーグで最も大きな注目を浴びている選手の1人が、ナショナルズからフリーエージェント(FA)となったブライス・ハーパー外野手だ。少なくとも10年総額3億5000万ドル(約396億円)規模の契約になると予想する声もある中、ハーパー本人がファンであると公言しているヤンキースが移籍先の有力候補の1つと見られている。ただ、地元メディアは超名門球団は獲得に動かないと伝えている。

 ニューヨークの地元テレビ局「SNY」(電子版)は「関係者:ヤンキースはFAのブライス・ハーパーの獲得に動かないと考えられている」との見出しで特集を掲載した。記事によると、ヤンキースは先週、プロスカウトミーティングで今オフの戦略プランを決定したが、ハーパー獲得はその中に含まれてなかったとメジャー関係者が話しているという。

 さらに、もう1人の目玉とされているマニー・マチャド(ドジャースからFA)内野手についても、ヤンキース行きを予想する声が相変わらず多いが、ここにきて“熱”は冷めている様子。内野ゴロに倒れた際、走塁で相手一塁手の足を蹴るなどしたポストシーズンでの愚行が影響していると指摘する米メディアもある。

 特集では「レッドソックスのワールドシリーズ制覇を受け、スタインブレーナー一家はスーパースターたちをまとめて獲得したい気分なのかもしれない」としつつ、「しかし、単純にハーパーはフィットしないというのが、ヤンキースの早い時期における思いだ」と指摘。球団は「外野手とDHのスポットは既に埋まっている」と考えているという。

投手陣の補強は必須も…外野とDHは飽和状態

「アーロン・ヒックス、アーロン・ジャッジ、そしてジャンカルロ・スタントンらは来季も(ヤンキースで)プレーすることになっており、球団はブレット・ガードナーの(契約)オプションも保持している。また、ミゲル・アンドゥハーが左翼か一塁へコンバートすることになるまでそう遠くないのかもしれない。その原因は彼のお粗末な三塁の守備である」

 外野、DHはすでに“飽和状態”であり、さらに大谷翔平投手(エンゼルス)の新人王争いの最大のライバルとなっているアンドゥハーは三塁守備があまりにも酷いため、左翼にコンバートされる可能性があるという。長期契約でハーパーを獲得する意味は確かにあまりない。むしろ、正遊撃手のディディ・グレゴリアスがトミー・ジョン手術を受け、三塁手のアンドゥハーの守備力に不安があることを考えれば、マチャド獲得は理にかなっていると言える。

 むしろ、2009年以来の世界一に輝くために補強が必要なのは投手陣。先発ローテーションは田中将大、ルイス・セベリーノの2人以外は去就が不透明な状況で、ダイヤモンドバックスからFAとなった左腕パトリック・コービンらの獲得に本腰を入れると見られている。ハーパーが伝統のピンストライプのユニホームに袖を通す可能性は、現時点では低いようだ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2