栃木県内でイノシシ目撃相次ぐ ドングリ不作など要因か

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店の防犯カメラに写ったイノシシ(右奥)。ドアにぶつかり、走り去った(アップライジング提供)=31日午前、宇都宮市下川俣町

 足利市や真岡市など県内で29日以降、イノシシの目撃情報が相次いでいる。31日には宇都宮市の市街地でイノシシが店舗にぶつかり、走り去っていく姿が目撃された。県によると、今年は餌となるドングリが不作で、餌を求めて移動したイノシシが市街地に出没したとみられる。手や足をかんだり、人に突進したりするイノシシもおり、県などは注意を呼び掛けている。

 「ドンと大きな音がしたのでドアを見たら、イノシシだった。けが人が出なくて良かった」。宇都宮市下川俣町のタイヤ販売店「アップライジング宇都宮本店」で、斎藤幸一(さいとうこういち)社長は衝撃の瞬間を振り返った。

 同市などによると、31日午前9時ごろ、同店の入り口自動ドアにイノシシが2回突進した。ドアは開かず、イノシシはそのまま走り去ったという。同11時ごろには、付近の同市岩曽町の田んぼで、通行人がイノシシを見つけた。

 30日夜には、大田原市美原3丁目の西原小付近で、通行人がイノシシとみられる動物を目撃。同市によると、市街地近くで目撃されるのは珍しいという。

 県内では各地でイノシシが出没している。足利市の中心部では29日、男性がかまれ、重傷を負った。真岡市では30日、目撃情報を受け駆け付けた猟友会の方に突進してきたため、会のメンバーが射殺した。

 県自然環境課によると、目撃が相次ぐ背景にはドングリの不作のほか、生息域の拡大もあるという。2003年ごろまでは県東部の八溝山地など一部地域に限られていたが、すみかの一つになる耕作放棄地の増加に伴って生息域が拡大。現在はほぼ県内全域に生息している。

 同課は「イノシシを見つけたら刺激しないようにしながら、速やかにその場を離れてほしい。安全な場所に移動後、警察や市町に通報してほしい」と訴えている。宇都宮市や大田原市も住民に注意を呼び掛けている。