J1残留へ 「3勝」目安 V長崎 残り4試合 4日に敵地で16位・鳥栖戦

 サッカーJ1のV・ファーレン長崎は、18チーム中最下位で今季あと4試合を残すのみとなった。J1残留ラインの15位にいる名古屋との勝ち点差は「5」。単純計算すれば、他の下位チームより2試合多く勝たなければ、J2に降格となる。残りの対戦カードを踏まえると、残留の目安は「4戦中3勝」。逆に「1勝1分け以下」ならば降格がほぼ確定する。

 17、18位がJ2に自動降格、16位がJ2の3~6位のプレーオフ勝者との入れ替え戦となるJ1残留争い。今季はまれにみる混戦で、最下位V長崎から15位までの勝ち点差は「5」、10位G大阪までも「10」と大差はない。V長崎が最も苦境に立たされてはいるが、中位以下のチームもまだ安心できない状況だ。
 今季の残留争いを激しくしている要因は「脱落チーム」がいないこと。過去5年間の最下位の勝ち点は、大分14(2013年)、徳島14(14年)、山形24(15年)、福岡19(16年)、大宮25(17年)。J1が18チーム制となった05年以降の最高でも千葉の27(09年)で、勝ち点29を積み上げたV長崎は、現時点で「過去最高の勝ち点を挙げた最下位」となっている。
 下位チームの残り4試合(名古屋は5試合)の対戦カードを見ると、V長崎以外は優勝を争う川崎、広島など上位との対戦が多い。一方のV長崎は中位以下ばかりで、ラスト2試合のG大阪、清水には前半戦で勝利を収めている。V長崎にも十分にチャンスは残っていると言えそうだ。
 残留へ最重要となるのが、次節の16位鳥栖との九州決戦(4日16時、佐賀県鳥栖市・ベストアメニティスタジアム)。勝てば勝ち点3を手にすると同時に、相手に勝ち点3を取らせない“6ポイントゲーム”で、逆に落とせば、いよいよ崖っぷちに立たされる。何が何でも勝利をつかみ、最終盤戦へ勢いをつけたい。
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 もう一つ、今季のJ1残留を占うポイントが、J2チームのJ1ライセンスの有無。Jリーグの規定で、スタジアムの収容人数や練習環境などがJ1基準に達していないクラブは2位以内に入っても昇格できず、J1昇格枠とJ2降格枠が一つずつ減る仕組みになっている。現在J2で3位の町田はライセンスを取得しておらず、2位以内に入った場合、J1の自動降格は18位のみ。17位が入れ替え戦に回る。

◎Jリーグの勝ち点
 順位を決める上で、最も優先される点数。各チームは1試合ごとに勝ち点(勝ち=3、引き分け=1、負け=0)を積み上げていき、通算勝ち点数で順位が決まる。Jリーグは延長戦がないため、引き分けが存在する。勝ち点が同数で並んだ場合は、総得点数と総失点数の差を表す「得失点差」を見る。

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