【バス7人死傷】神奈中運転手、1割は無呼吸症候群 県警が本社捜索

 横浜市西区の国道16号で神奈川中央交通の路線バスが乗用車に追突し乗客1人が死亡、乗客ら6人が負傷した事故で、神奈川県警は1日午前、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)容疑で、平塚市の神奈中本社や同社舞岡営業所(横浜市戸塚区)など関係先の家宅捜索を始めた。同容疑で逮捕された神奈中バス運転手の男(50)は睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療中だったことが分かっており、県警は関係資料を押収し、運転手の勤務実態や健康状態などの解明を進める。

 事故は10月28日午後9時15分ごろ、横浜市西区桜木町4丁目の国道16号で発生した。男が運転するバスが赤信号のため停止していた乗用車に追突し、道路脇の柱に衝突。乗客の高校1年の男子生徒(16)=同市都筑区=が脳挫傷で死亡し、男子生徒の母親ら乗客4人と乗用車の男性会社員、運転手の男の計6人が重軽傷を負った。

 捜査関係者によると、バスが追突事故を起こす前に、歩道寄りの車線と右隣の車線をまたぐような状態で走行。バスはその後、道路脇の柱などに接触する事故を起こしていた。現場にはブレーキ痕はなく、県警は同容疑者が何らかの原因で運転不能の状態になっていたとみて、事故に至った経緯を調べている。

神奈川中央交通本社のある建物に入る捜査関係者=1日午前9時40分ごろ、平塚市八重咲町

© 株式会社神奈川新聞社