「為替」関連倒産(10月度速報値)

 2018年10月の外国為替市場での円相場は、1日の東京外国為替市場において、米長期金利の先高観などから円売りドル買いが進み、一時、約11カ月ぶりの円安水準となる1ドル=114円台で取引された。米国、メキシコ、カナダが3カ国間貿易協定で合意したことも、米経済の先行き期待感からドル買いに拍車がかかった。しかし、その後はジリジリと円高に振れ、26日のニューヨーク外国為替市場では、9月中旬以来の一時1ドル=111円前半をつけた。米株価の大幅反落を受け、投資家がリスク回避姿勢を強め、相対的に安全な通貨とされる円を買う動きが強まった。
 こうしたなか、企業倒産は依然として沈静化が続き、10月の「円安」関連倒産は速報値ながら6カ月ぶりの発生なし(前年同月1件)。また、「円高」関連倒産も2カ月連続の発生なし(同1件)だった。外国為替市場の関係者では、米中間選挙後の動向が注目されている。結果次第では大統領と議会との「ねじれ」観測が高まりをみせ、先行きの米国の経済政策の停滞による相場の乱高下を警戒する声も出ていることから、引き続き今後の為替の変動には注意が必要だ。

円安関連倒産月次推移
円高関連倒産月次推移

© 株式会社東京商工リサーチ