【速報】二審は逆転無罪 宮崎市男性殺害

 宮崎市田代町の駐車場などで男性を刺殺したとして、殺人の罪に問われた指定暴力団神戸山口組系暴力団会長田中克明被告(40)=住所不定=の控訴審判決は1日、福岡高裁宮崎支部(根本渉裁判長)であった。同支部は懲役14年とした一審の宮崎地裁判決を破棄し、無罪を言い渡した。

 一審判決では、田中被告は2016年8月19日午前0時50分~同1時ごろ、同市田代町の駐車場などで、共謀した同暴力団幹部組員の男=殺人罪で懲役16年の一審判決が確定=に凶器を持って来るよう指示し、同組員が元暴力団組員の男性=当時(43)=の腹部を刃物で1回刺して殺害したと認定。田中被告に懲役14年の実刑判決を言い渡した。

 控訴審判決は「田中被告が『道具持ってこい』と発言したという事実は認められず、仮に言っていたとしても、その発言以外に殺害を認める言動をしていないため、殺意を認定できない」と指摘。「共謀があった」と主張する検察側の訴えを退けた。

 田中被告の弁護士は「一審からの主張が認められた」と話した。

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