トランプ騒動?

 いつもはじっくり見ることのないレシートを、最近は取っておいて見比べる。ここ何回かの給油では1リットル当たり160円台後半のままで「うーん、またか」と心でぼやく▲ガソリンが高い。つい先日「9週ぶりの下落」となったが、高値には変わりない。レギュラーガソリンの全国の平均小売価格は、前回調査より40銭安い1リットル159円60銭▲本県は168円50銭と全国最高値で、昨年の今頃よりも1リットル当たり25円ほど高い。離島への輸送コストがかかり、かねて高いと知ってはいても、ついついぼやきが出る。「同憂の士」ならば数多くおられるだろう▲この騒動は「トランプ米大統領発」と言ってもおかしくはない。前政権の頃、イランの核開発を制限しようと欧米など6カ国とイランが「核合意」を結んだのに、トランプ氏は5月、合意から抜けると宣言した▲米国はイランへの制裁を再び始め、イラン産の原油を禁輸するよう各国に求めると、供給減に不安が広がり、高値騒動も広がった。核合意は米国とイランが対話に向かう要とされたが、「対話の鍵」が見当たらない▲灯油も全国平均で少し値下がりしたが高値は続き、本県は18リットル(タンク1個分)で1893円と平均より99円高い。冬支度の時節、生活をじわりと圧迫する“トランプ騒動”のそろそろ収まることを。(徹)

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