長崎県内 子どもの読書量 全国平均 上回る  持続性に課題も

 長崎県内の児童、生徒の1カ月当たり読書量は、小中高校生ともに全国平均を上回っていることが県教委などの昨年度調査で分かった。県教委は、学校や家庭で読書時間を確保するよう呼び掛けていることが一定の成果となって現れているとみている。一方で、1カ月に1冊も本を読まない割合(不読者率)は、学校段階が上がるにつれて増加。一般的に読書をすることで、想像力や読解力、表現力が養われるといわれており、県教委は今後も取り組みを進めていく考えだ。
 調査は、県内公立の小中高校生の中から計約1万2千人(小学生は4年生以上、中高校生は全学年)を抽出。昨年11月の1カ月間に読んだ本の冊数を聞いた。
 それによると、1カ月の読書量の県内平均は小学生14・5冊(全国平均11・1冊)、中学生5・3冊(同4・5冊)、高校生3・3冊(同1・5冊)で、いずれも同年に調査した全国平均を上回った。県教委は、「全校一斉読書活動」や「家族10分間読書運動」の実施を学校や家庭に呼び掛けており、こうした取り組みが一定奏功したとみている。
 一方、調査期間中の不読者率は、小学生0・3%(全国平均5・6%)、中学生0・5%(同15%)、高校生11・9%(同50・4%)。全国平均と比べて低かったが、小中学生での読書習慣が、高校生まで持続できていない傾向も浮かんだ。県教委生涯学習課は「学校段階が上がるにつれ、部活動などで忙しい。スマートフォンの普及も一因に、読書離れが進んでいるのではないか」と分析する。
 県教委は発達段階に応じた取り組みが必要だとし、調べ学習を促したり、司書教諭ら向けの研修会を開くなどして、児童、生徒が本に興味を持つきっかけづくりを進めていく考えだ。

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