「翔平に生きるチャンスを」 重い心臓病の1歳 両親 米国で移植決意 医療費など3億5000万円募る

 重い心臓病を患う川崎翔平ちゃん(1)=兵庫県尼崎市=を救うため、米国での心臓移植を実現しようと、両親や支援者が医療費など計3億5千万円を目標に募金を呼び掛けている。現在は大阪の病院に入院し補助人工心臓で命をつないでいるが、感染症や脳梗塞などのリスクと常に隣り合わせで、一刻も早い移植が必要という。

 母親の静葉さん(32)によると、翔平ちゃんがおなかにいた妊娠7カ月の時、健診で翔平ちゃんの心臓に異常が見つかった。すぐに治療をしないと命が危ないため、予定日より2カ月早い昨年6月、帝王切開をして2390グラムで生まれたが、心臓が大きくなり血液を全身に送るポンプ機能が低下する「拡張型心筋症」などと診断された。

 その後、手術を何回も繰り返し、心臓の左右心室に補助人工心臓を装着。国内の小児では初めてだった。現在は体調が良ければ、短時間ながら、院内をベビーカーで散歩したり屋上で日光に当たったりしているという。

 静葉さんと夫の太志さん(30)は国内での心臓移植も考えたが小児の症例は少ないため、症例が多い米国での移植を決意。だが医療費、渡航費、滞在費など3億5千万円が必要。個人では賄いきれないため、街頭やネット、銀行振り込みなどで寄付を募っている。

 静葉さんは「翔平は生まれてから一度も家に帰ってきたことがない。家族で川の字で寝たりご飯を食べたり、そんな当たり前の日常を過ごしたい。翔平に生きるチャンスを与えてほしい」と話している。

 今年6月、静葉さん、太志さんの友人や同僚が「しょうへいくんを救う会」を立ち上げた。ホームページ( https://saveshohei.com)に募金方法や翔平ちゃんの様子などを掲載している。問い合わせは救う会(電06・7710・3850)。

一刻も早い心臓移植が必要な川崎翔平ちゃん=大阪府内の病院(母親の静葉さん提供)

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