水素で鉄の結晶構造制御、九州大が成果

 九州大学は1日、面心立方格子(fcc)構造を持つ鉄鋼材料は水素含有量が増加するほど六方最密(hcp)相の生成が抑制されることを世界で初めて発見したと発表した。鉄の添加元素として水素を活用することで、鉄の異常な結晶構造変化を抑制できる可能性を示す研究成果。水素関連施設に使われる鋼材の高品質化や高強度化に役立つと期待される。

 九州工業大学大学院の平田研二大学院生(現産業技術総合研究所所属)、飯久保智准教授、九州大学大学院工学研究院の小山元道助教らによる研究成果。ネイチャー・パブリッシング・グループの学術誌「Scientific Reports」のオンライン版で10月31日に掲載された。

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