東京スター銀行、錫のディリバティブ商品取扱い開始 鋳物メーカーの変動リスク回避に

 東京スター銀行は11月から、錫のディリバティブ商品の取扱いを始めた。鋳物メーカーの能作(本社・富山県高岡市)向けに、錫の国際価格の変動に対するリスクヘッジを代行。仕入れ価格の安定化につなげる。

 能作は錫の工芸品製造が主力。商品の大半が錫製品であるため、原材料となる錫の仕入れ価格変動が経営不安定化の要因になっていた。

 錫の先物市場が国内になく、一般的なヘッジ手段も限られるため、東京スター銀行に相談した形。同行は「当行の親会社であるCTBCバンク(台湾)を含めたディリバティブに関するネットワーク・体制を生かして商品塑性を成功させた」としている。

 指標となるロンドン金属取引所(LME)錫市況は足元では横ばい基調で推移しているものの、主要生産国である中国やインドネシアの輸出政策の影響を強く受ける。現物(前場、セツルメント価格)は年初の高値から1割以上値下がりした。

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