活動再開「いきものがかり」へエール 地元の厚木、海老名

 厚木、海老名市出身のメンバーで構成し、昨年1月から休止していた活動を3日から再開させる人気音楽グループ「いきものがかり」。グループゆかりの両市では、活動再開を喜ぶとともに、さらなる活躍へ“エール”の声が多く上がっている。

 

 厚木市出身のボーカル・吉岡聖恵さんが訪れていた縁で店内に自作のメッセージボードを飾るなど応援を続けてきた厚木市恩名の精肉店「肉のヨリヤ」。店長の長谷川貴昭さん(44)は「店に立ち寄ってくれるファンの人とも早く再開してほしいね、と話していた。再開が決まってよかった」とほおを緩めた。

 ボードの中には、活動休止を意味する「放牧宣言」を残念がる「休止・放牧!エッ?」「いつまでもあの笑顔を待っている」などとつづられたボードもあり、長谷川さんは「外さないといけない」とうれしそうだ。店員の岡田清喜さん(64)は「これまでと同じようにこれからも皆を喜ばせる歌を歌ってもらいたいです」と語った。

 吉岡さんが通った県立海老名高校(海老名市中新田)の同窓生で同市内に住む会社員棚橋亜紀さん(34)はファンクラブから届いたメールで再開を知った。高校生の頃は放送部で一緒にラジオドラマを制作したり、カラオケに行ったりした思い出があり、今も連絡を取り合うという。

 素顔の吉岡さんを知るだけに「3人で活動を再開しても歌いたいことを好きに歌ってほしい。ナレーションとか、やりたいと思う仕事にも挑戦してもらいたい。(吉岡さんの)明るくて自由な姿にファンは喜び、励まされている。私自身も『めげずに頑張らなくちゃ』と思わされている。今は殺到していると思うから落ち着いたらメールを送りたい」と話した。

 ギターの水野良樹さん、山下穂尊さんはいずれも海老名市出身。2人が通った同市立大谷中学校(大谷南)に当時勤務し、現在は同市立有馬中学校教頭の山川勇さん(54)は「やっと戻ってきたんだなと思えて、うれしかった」と話す。当時、山下さんが所属したラグビー部顧問を務め、水野さんが3年生の時に社会科の授業を担当。コンサートに度々足を運んでは教え子たちの活躍をそっと応援してきた。

 「芸能の世界で活躍する彼らだが、地元を大事にしている。それが地元にとっても誇らしい」と山川さん。山下さんが作曲した「ハジマリノウタ」、3人の歌声が聴ける「夏・コイ」と好きな曲をいくつも挙げた上で、こう続けた。「彼らの音楽には特定の世代だけでなく、いろんな世代に響くものがある。これからもそうした音楽を届けてほしい」

いきものがかりへのメッセージボードやポスターを掲げる「肉のヨリヤ」店内=厚木市恩名

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