【MLB】「タナカを除けば…」 世界一逸に「立腹」のヤ軍オーナー、田中将大には満足!?

ヤンキース・田中将大【写真:Getty Images】

宿敵Rソックスの世界一には「間違いなく腹立たしい」

 ヤンキースは今季100勝62敗の好成績をマークしたものの、108勝54敗と圧倒的な強さを見せた宿敵レッドソックスに競り負けて地区優勝はならず。さらに、ポストシーズンでも地区シリーズでレッドソックスと対戦し、1勝3敗で敗れた。ライバルはその後、世界一に輝いている。ニューヨークの地元紙によると、ハル・スタインブレナー共同オーナーはレッドソックスに敗れたことに「立腹」している一方、地区シリーズで唯一の白星を挙げた田中将大投手を評価。また、獲得に動くか注目されているマニー・マチャド内野手(ドジャースからFA)についても言及したという。

 スタインブレナー共同オーナーの発言について記事を掲載したのは、地元紙「ニューヨーク・ポスト」だ。「ご立腹のスタインブレナーが心境を明かす:レッドソックスへの怒り、マチャドへの警告」とのタイトルでレポートしている。

 記事では、レッドソックスが最近15年で4度目の世界一に輝いたことについて「間違いなく腹立たしいこと。同じ地区のライバルが我々を倒すだなんて、私はまったく望んでいない」とスタインブレナー氏が話したことを紹介。そして、ライバルに歯が立たなかった地区シリーズについて「我々が力を発揮できなかったことを不満に思っている。タナカを除けば、先発投手の活躍は十分満足のいくものではなかった。それに、打線も不安定だった。我々の本来の姿を、あのシリーズでは見せることができなかった」と話したという。今年もポストシーズンで絶大な勝負強さを発揮した田中以外の選手の働きには、納得していないというのだ。

噂されるハーパー、マチャドの獲得は…「いくつか補強をしていく」

 2009年以来の世界一に向けて、ヤンキースは今オフにどのような動きに出るのか。最大の目玉であるブライス・ハーパー外野手(ナショナルズからFA)、マチャドらの獲得に動くのではないかとも見られている。

 スタインブレナー氏は「いくつか補強をしていく。いつも通りのことではあるが。我々は地区を勝ち抜く必要がある。ワイルドカードに回るのはご免だ」と話したという。ただ、生え抜きのブレット・ガードナーと再契約したことから、外野にハーパーが入る余地はないと同紙は指摘。さらに、マチャドについても、相手一塁手の脚を蹴るなどしたポストシーズン中の数々の“愚行“が問題となっていることから、ヤンキースの“熱”は冷めたとも伝えられている。

 同紙によると、同オーナーは「分析担当の人間やスカウトたちは、選手の気質、性格、モチベーション、チームメートとしてどれだけ良好に接することができるかなどについて議論する」と説明。さらに、「全力疾走や労働倫理は、その選手について語るうえで重要な要素だ。(その選手の)金額が3億ドル(約340億円)であろうが、3000万ドル(約34億円)であろうが関係ない。もし労働倫理に関して深刻な懸念があっても、(その選手の)獲得に投資するのは我々と我々のパートナーたちだ。だからこそ、そういったことは議論の中で必ず話し合われる。そうして然るべきことだ」とも話したという。やはり、マチャドについても“人間性“をしっかりと見た上で、慎重に判断することになりそうだ。

 もっとも、まずは先発投手の補強が急務とされているヤンキース。久々のワールドシリーズ制覇に向けて、田中のように大一番で信頼できる選手を獲得できるかが大きなポイントとなりそうだ。(Full-Count編集部)

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