「フリーエージェント選抜チーム」には豪華な名前がズラリ

移籍マーケットの本格オープンを前に、MLB公式サイトではマーク・フェインサンドが今オフのフリーエージェント選手による選抜チームを紹介している。マニー・マチャド、ブライス・ハーパー、クレイグ・キンブレルといった目玉選手たちがズラリを名を連ねた豪華なチームとなった。

捕手部門ではウィルソン・ラモス、J.T.リアルミュート(マーリンズ)に次いで捕手3位となるOPS.815(400打席以上)をマークしたヤスマニ・グランダルが選出。ポストシーズンでは守備の乱れが目立ったものの、攻守両面で堅実な働きを期待できる点や貴重なスイッチヒッターである点が評価されている。その他の有力選手としてはラモスのほか、ジョナサン・ルクロイ、カート・スズキが紹介されている。

一塁手部門で選出されたのは、レッドソックスの世界一に大きく貢献してワールドシリーズMVPに輝いたスティーブ・ピアース。右腕に対してOPS.828、左腕に対してOPS.959をマークした打撃力だけでなく、外野など他のポジションも守れるユーティリティ性も高く評価されている。ピアースに次ぐのがローガン・モリソン、マット・アダムス、ルーカス・デューダといった面々であり、今オフの一塁手市場はやや不作と言えるかもしれない。

二塁手部門はダニエル・マーフィー。今オフの二塁手市場は有力選手が多いものの、その中でもマーフィーは最高級の打撃力を誇る。今季は故障で大きく出遅れたが、最終69試合では打率.328、11本塁打、32打点の好成績をマークして強打健在をアピールした。マーフィー以外にもジェッド・ラウリー、DJレメイヒュー、ブライアン・ドージャーといった有力選手がフリーエージェントとなっている。

三塁手部門では2015年ア・リーグMVPのジョシュ・ドナルドソンが選出。ここ数年は故障に悩まされるシーズンを過ごしているものの、健康であればどのチームでも打線の中軸を担うことができる強打者だ。他にはデービッド・フリース、マイク・ムスターカスといった実力者の名前が挙げられている。

遊撃手部門は文句なしでマチャド。今季はキャリアハイの打撃成績をマークし、メジャーリーグ史上最高級の契約を手にすることが予想されている。キャリアの大半を三塁手として過ごしてきたマチャドだが、遊撃手としてのプレイを希望しており、契約交渉の際には遊撃手として獲得するチームを優先することになりそうだ。マチャド以外にはアズドゥルバル・カブレラ、アデイニー・エチャバリア、ホゼ・イグレシアスらもフリーエージェントとなっている。

左翼手部門は好打のマイケル・ブラントリーだ。過去2シーズンで101試合しか出場できなかったブラントリーだが、今季は143試合に出場してOPS.832をマーク。対抗馬としてはユーティリティ・プレイヤーのマーウィン・ゴンザレスの名前が挙げられている。その他、カルロス・ゴンザレスとキャメロン・メイビンの名前も紹介されている。

中堅手部門ではオールラウンド・プレイヤーのA.J.ポロックが選出。健康であればメジャーでもトップクラスの実力を誇る好選手であり、数多くの球団が獲得に興味を示すはずだ。アダム・ジョーンズ、アンドリュー・マカッチェン、ディナード・スパンといった実力者もフリーエージェントとなっており、中堅手の補強を目指す球団の選択肢は多い。

右翼手部門は今オフ最大の注目株であるハーパー。今季は前半戦こそ打撃不振に苦しんだものの、地元開催のホームラン・ダービーで優勝すると、後半戦はOPS.972と復調。フリーエージェント選手としては史上初となる総額3億ドル超えの契約を期待されている。ハーパーの他にはニック・マーケイキス、カルロス・ゴメス、ロニー・チゼンホールらの名前も紹介されている。

指名打者部門ではコンスタントに本塁打を放ち続けているネルソン・クルーズが選出。2014年のシーズン開幕以降、200本以上の本塁打を放っているのはメジャーでクルーズただ1人である。その他の候補としてはエバン・ギャティス、ブライアン・マッキャン、マーク・レイノルズの名前が挙げられているが、クルーズには見劣りする。

先発左腕部門ではパトリック・コービンが選出。コービンは今オフのフリーエージェント市場において最高の先発投手と目されており、すでにヤンキースが関心を示していることが報じられている。J.A.ハップ、ダラス・カイケル、ウェイド・マイリー、ジオ・ゴンザレス、柳賢振(リュ・ヒョンジン)、CCサバシアと好投手は多いが、マチャドとハーパーに次ぐ大型契約を得ることを予想されているコービンには敵わない。

先発右腕部門はワールドシリーズで力投したネイサン・イバルディが選出。故障歴が不安視されるものの、29歳という年齢を考えても、獲得に動く球団は多いはず。イバルディ以外にはチャーリー・モートン、ランス・リン、マット・ハービー、アニバル・サンチェス、タイソン・ロス、エドウィン・ジャクソン、トレバー・ケーヒルらもフリーエージェントとなっている。

リリーフ右腕部門はキンブレル。今季は制球難に苦しむ場面が多々見られたものの、実力的にはメジャー屈指のリリーバーである。クローザーとしては歴代最高額となる契約を得るのは間違いないだろう。他にもデービッド・ロバートソン、ジューリス・ファミリア、アダム・オッタビーノ、ケルビン・ヘレーラ、コディ・アレン、ブラッド・ブラック、ホアキム・ソリアといった有力投手がズラリと名を連ねている。

最後に、リリーフ左腕部門はアンドリュー・ミラー。前回のフリーエージェント時には4年3600万ドルの契約を手にし、最初の3年間は防御率1.63をマーク。しかし、契約最終年の今季は肩や膝の故障に苦しみ、34イニングしか投げられなかった。それでも故障されなければ、実力的にはメジャー有数の存在だ。ミラー以外にはザック・ブリットン、ジャスティン・ウィルソン、トニー・シップ、オリバー・ペレス、ザック・デュークらの名前も紹介されている。

●MLB.JP編集部の独断によるオーダー
(中)ポロック
(左)ブラントリー
(右)ハーパー
(指)クルーズ
(遊)マチャド
(三)ドナルドソン
(二)マーフィー
(一)ピアース
(捕)グランダル
先発投手:イバルディ(右)、コービン(左)
救援投手:キンブレル(右)、ミラー(左)

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