甲子園の“スター”も…高校で活躍しプロ入りも、今オフ戦力外となった主な選手

ヤクルト・鵜久森淳志とオリックス・佐藤世那(左から)【写真:荒川祐史】

仙台育英で準優勝のオリ佐藤世は1軍登板なく…

 日本シリーズはソフトバンクが広島を4勝1敗1分で破り、2018年のプロ野球シーズンも終了となった。一方で、シリーズ終了の翌日は第2次戦力外通告期間の終了日(日本シリーズ出場球団は5日後まで)でもある。今年もドラフトを経てプロ入りする選手がいる一方、多数の選手が戦力外通告を受けている。その中には、かつて甲子園で華々しく活躍した選手も数多い。高校で輝き、そのままドラフトで指名されて高卒でプロ入りしながら、今オフに非情通告を受けた主な選手たちをピックアップした。

◯中井大介(巨人)

 三重・宇治山田商では外野手兼投手として活躍。3年時の2007年夏の選手権2回戦で、優勝した佐賀北(佐賀)戦では途中登板で佐賀北のエース・久保と投げ合い、打でも走者一掃の三塁打を放つなど活躍したが、延長15回の末引き分け。再試合に先発したが敗れた。

 その年の高校生ドラフトで巨人に3巡目指名を受け入団。09年にはプロ1号本塁打を放ち、2015年には第83代4番打者に起用されたが結果を出せず。今年は70試合出場で.186、1本塁打、6打点に終わり、戦力外通告を受けた。原辰徳・高橋由伸両監督も覚醒を期待して辛抱強く起用したが、プロ11年にして戦力外通告を受けた。

◯佐藤世那(オリックス)

 宮城・仙台育英のエースとして。2015年の選抜大会では2回戦で敦賀気比に1-2で敗れた。同年夏の選手権では決勝に進出、東海大相模・小笠原慎之介(現中日)と投げ合い、6-10で敗れたが準優勝した。平沢大河(ロッテ)はチームメート。

 同年ドラフト6位でオリックスに入団。昨オフのアジア・ウインターリーグにウエスタン・リーグ選抜の一員として出場した時にサイドスローでの投球を試し、今年の春季キャンプから本格的に転向。しかし1軍登板は1試合もなく、戦力外通告を受けた。

◯鵜久森淳志(ヤクルト)

 2004年、春の選抜大会に初出場した愛媛・済美の4番として2本塁打を放ち、初優勝に貢献。夏の選手権でも、決勝で駒大苫小牧に敗れたものの、3本塁打を放って準優勝に輝いた。その年のドラフトでは8巡目で日本ハムに指名され入団した。

 15年まで在籍した日本ハムでは、2012年にはイースタン・リーグ本塁打王を獲得し1軍でも4本塁打を放った。長打力を買われて代打や指名打者として起用されたが1軍に定着しきれず、15年オフに戦力外通告を受け、12球団合同トライアウトに参加。ヤクルトが獲得し、翌16年にはキャリアハイの46試合出場、打率.257、4本塁打、19打点を記録。8月の阪神戦では自身初の満塁本塁打を打ち、昨年4月のDeNA戦でも代打サヨナラ満塁本塁打を放つなど長打力を発揮したものの、今年は19試合出場にとどまり、再び戦力外通告を受けた。

「島根のジャイアン」DeNA白根、大阪桐蔭卒の阪神西田らも…

◯白根尚貴(DeNA)

 島根・開星高のエースで4番として活躍。「島根のジャイアン」の異名を取った。2年時に、1年先輩の糸原健斗(阪神)らとともに春夏連続甲子園出場、夏の選手権では本塁打も放った。3年でも夏の選手権に出場し、高校通算40発の強打者として注目され11年ドラフト4位でソフトバンクに入団した。

 しかし入団後、新人としてのキャンプイン前に右肘故障が発覚し、靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受けるなど、ソフトバンク時代は3軍、2軍暮らしが続き、1軍出場のないまま2014年オフに育成契約に。15年オフに育成再契約を拒否し、12球団合同トライアウトを受けてDeNAが獲得。16年3試合、17年12試合に起用され、17年6月17日のオリックス戦でプロ初安打、初打点、初本塁打を放ったが、プロ通算3安打、打率.176、2打点、1本塁打で戦力外通告を受けた。

◯西田直斗(阪神)

 大阪桐蔭では藤浪晋太郎の1年先輩、森友哉(西武)の2年先輩。江村直也(ロッテ)は1年先輩、山足達也(オリックス)ともチームメートだった。2年春の選抜大会に出場、東海大望洋(千葉)戦で3安打5打点の活躍を見せた。2011年の春季大阪大会では太成学院・今村(現巨人)からは本塁打を放ち、夏の大阪大会決勝では東大阪大柏原・石川慎吾(現巨人)と戦って敗れている。

 同年のドラフトで阪神に3位指名を受け入団し、13年に1試合、2打席に立ったが2三振。以後、1軍での出場はなく、17年には育成に移行したが、6月に支配下選手に復帰。しかしその後も1軍出場機会はないまま、戦力外通告を受けた。

◯園部聡(オリックス)

 聖光学院では2年春・夏、3年春・夏と4季連続甲子園出場。2年連続でバックスクリーンにホームランを運んだ。甲子園通算31打数14安打の打率.452、2本塁打、長打率.871の好成績をマーク。高校通算59本塁打を放ち、高校日本代表にも選出された。

 2013年ドラフト4位でオリックスに指名されて入団。しかし、1年目の2014年8月に右肘手術を受け、オフに育成契約となった。復帰後はウェスタンリーグで結果を残し、2016年7月に支配下契約に復帰。同年に1軍で16試合に出場するも打率.204、1本塁打、6打点に終わり、最近2年は1軍出場がなく戦力外となった。

 そのほかにも、同3度出場で高校日本代表にも選出された吉田雄人(北照→オリックス)らに加え、2010年に12勝(9敗)を挙げるなどプロでも実績を残した由規(仙台育英→ヤクルト)ら、甲子園で活躍した選手が戦力外通告を受けている。今後が未定の選手も多いが、輝きを取り戻せる選手はいるだろうか。(Full-Count編集部)

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