ウォルフ、5度目のタイトルを獲得したハミルトンとメルセデスF1の関係継続を願う

 メルセデスF1チームでトップを務める・ウォルフは、チームとルイス・ハミルトンのパートナーシップが永遠に続かない理由はないと考えているという。

 ウォルフは、前戦メキシコGPで5度目のドライバーズタイトルを獲得したハミルトンを称賛した。しかしながらコンストラクターズ選手権で安泰となるためには、メルセデスにはまだやるべきことがある。

 将来を見据えたウォルフは、ミハエル・シューマッハーが達成した7度のタイトル獲得記録にハミルトンが並ぶか、上回ることも可能だと考えており、達成できない理由は見当たらないと語った。

「我々がチャンピオンシップに勝てる競争力のあるマシンを提供し、彼が今のような走りを続ける限り、我々の関係は永続的に続くだろう」とウォルフは語った。

「過去6年で目にしたなかで、今のルイス・ハミルトンは最高の状態にある。彼の走りはより優れたものになっており、マシンを降りているときも状態は良い。非常に完成されているのだ」とウォルフはFormula1.comに語った。

「それは才能にハードワークと思考力、感情的な知性を組み合わせる能力なのだ」

「すべての偉大なチャンピオンたちは、その4つの要素すべてを持ち合わせている。そのうちのひとつでも欠けていたら、成功したレーシングドライバーになることはできるにせよ、これほどの偉業を達成することはできないだろう」

「これで終わりではない。彼が5度のタイトルを獲得した理由は、その時の仕事に彼が集中し、先のことを考えすぎなかったからだ。7回の選手権を制覇する前にはまず、6回目の選手権に勝たなければならない。けれども6回目のためのポイントは、まだ1ポイントも獲得していないのだ」

 ハミルトンはすでに契約を2年延長しており、メルセデスには2020年の終わりまで残留することになる。

 しかし2021年シーズンには大きなルール変更が控えているほか、ハミルトンはF1以外の分野に多くの関心を寄せている。彼が2021年以降もレースを続けたいと思っているかどうかについては疑問がある。

 彼がレースを続けたいとしても、メルセデスに残留するかどうかは決して確定していることではない。フェラーリのF1ドライバーになるということはモータースポーツにおいて他に類をみない魅力だ。しばしば否定されてはいるものの、ハミルトンとフェラーリを結びつける報道は止むことがない。

「彼らとは長い旅をしてきた」とハミルトンはメルセデスで過ごしてきた時間について語り、以下のように続けた。

「このチームで6年を過ごしてきた。最初の日、僕がこのチームに加入することを選択した日から、僕は何か偉大なことが達成できると本当に信じていた。そして、僕たちがともに達成してきたことを見てほしい」

「今の時点では、自分がどこか他の場所にいることを想像するのはとても難しい。チームは僕の家族であり、僕が成長した場所だ。でもマクラーレンにいるときも僕は同じことを言った」

「僕が移籍を望んだ理由のひとつは、他の場所に行ってなにか特別なことができるかどうか見てみたいということにあったと思う。僕にはできると分かっていたが、皆に証明してみせる必要があった」

 ハミルトンはフェラーリに移籍して、再度タイトルを獲得したいと思っているのだろうか。

「今は他のチームに行ってタイトルを獲得する必要があるとは思わない」と彼は言い、「絶対にないなんて言えないけどね」とからかうように続けた。

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