「ここは大阪か」日本の羽生ファンの熱狂ぶりに驚き

By 太田清

公式練習で調整する羽生選手=ヘルシンキ(共同)

 フィンランドの首都ヘルシンキで行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第3戦で3日、男子ショートプログラムで日本の羽生結弦選手が登場し、ルール改正後の世界最高得点をマークして首位に立ったが、ロシアのニュースサイト「ガゼータ・ルー」は、「グランプリがヘルシンキでなく、大阪で行われたようだ」と、多くの日本人ファンが訪れた会場の様子を驚きを持って報じた。 

 記事は「羽生がリンクに現れる前から、会場は日本の日の丸であふれかえった」とした上で、羽生選手が非の打ちどころのない演技で106・69点をマークしたと説明。演技が終わると観客から「雨のようなプレゼントが投げ込まれた。中でも(羽生選手が好きな)黄色いくまのプーさんのぬいぐるみはあまりにも多すぎて、運ぶのに特別にトラックが必要になると思えるほど」だったと指摘。 

 演技終了後に羽生選手を見ようと多くのファンが出入り口で待ち構えたとするなど、日本のファンの熱狂的な応援ぶりを報じた。「日本のファンにとり、ヘルシンキまでの距離は問題なかったようだ」とも付け加えた。 

 2017年に同じヘルシンキで世界選手権が行われ羽生選手が優勝した際にも、多くの日本人ファンが駆け付け、英大衆紙デーリー・メールが特集記事を掲載。「会場は日の丸で埋め尽くされ、日本企業の広告がリンクのボードを席巻した」と伝えるとともに「日本の大会でチケットを入手するのはとても難しく、海外のほうが簡単」とするファンの声を紹介するなど、世界のフィギュアスケート大会の会場を埋め尽くす日本人の存在感は有名だが、ロシアメディアにとっては新鮮に映ったようだ。 

 記事は女子で優勝した、平昌五輪金メダリストのロシアのアリーナ・ザギトワ選手についても触れたが、「人気という点では羽生にはかなわない。ロシアでもフィギュアスケートのファンはいるが、それほど熱狂的ではないし、ザギトワは五輪での優勝は1回だけだ」と、ザギトワ選手をもってしても人気では、五輪を連破した羽生選手には及ばないと指摘した。 (共同通信=太田清)

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