「ようやくこの日が…」琉球J2昇格! サポーターは歴史的瞬間をどう迎えたのか

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 【沖縄】FC琉球の発足当初からチームを支えてきた私設応援団「琉球グラナス」代表の池間弘章さん(54)=那覇市=は、2点リードのまま試合終了のホイッスルを聞くと、スタンドで仲間と抱き合い、涙を隠すように顔を両手で覆った。「この日が来るのかと悩んだこともあったが、ようやく迎えられた。本当に良かった。幸せです」。念願のJ2昇格を果たせたことに安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 観客が少ないJFL時代から、チーム状態が良い時も悪い時もひたすら鼓舞してきた。この日は試合開始の2時間以上前に、会場入りする選手を40~50人のメンバーと出迎え、練習から声援を送り続けた。

 ホームで引き分け以上ならJ3優勝とJ2昇格が決まるという「出来過ぎのシナリオ」に、油断は大敵と気を引き締めた。試合が始まってからはベンガラ色のユニホームに身を包んだサポーター仲間が立ちっぱなしで応援。池間さんも太鼓をたたき続けた。残り時間が数分となると太鼓を置き「最後まで頑張ろう。声を出そう」と声を張り上げた。

 何よりもうれしかったのは今季ホーム最多の7810人が詰め掛けた会場の雰囲気。チーム関係者だけでもサポーターだけでもない。多くの県民がチームを応援してくれたことに喜びを感じた。「多くの人と一緒にこの瞬間を味わうことができてうれしい」。一回り大きくなり、J2へ挑むチームが頼もしく見えた。

「苦しい時が長かった」県内関係者も喜びの声

 FC琉球とともにJ2に向けて歩んできた県内のサッカー関係者も、昇格に喜びの声を上げた。

 県サッカー協会の具志堅朗会長は「本当にうれしい。県民にも非常にいい報告ができるのではないか」と喜んだ。那覇市の奥武山公園陸上競技場に建設が計画されるJ1規格のスタジアムについて「J2で活躍し、スタジアムの整備に弾みをつければ」と期待した。

 協会の名誉会長を務める伊江朝睦・前会長は「苦しい時期の方が長かった」とFC琉球の歩みを振り返る。なかなか勝てない時期があり、経営的にも苦しさを味わった。協会も応援し、伊江さんも球団側と一緒に県内の企業を回り、スポンサーを探したという。

 昇格の悲願が実り、伊江さんは「よくやってくれた。『やったー』と大きな声で叫びたい」。J2の舞台に向け、「県民の代表として誇りを持って、頑張ってもらいたい。J1に上がるという大きな夢を持って戦ってほしい」と望んだ。

 屋冨祖繁幸副会長はこの日、スタジアムで観戦し、試合終了のホイッスルの瞬間、万歳して喜んだ。サポーターも一斉に万歳する姿が目に入り、会場全体が一体となったと感じた。

 子どもから大人までさまざまなサッカーチームに「わったー島のチーム」とFC琉球をPRし、試合への来場を呼び掛けてきた。レベルが高くなるJ2では、さらにそうした取り組みを進めていかないといけないと思う。「県民の応援があって初めて、さらに磨きがかかってくる」

 県出身初のJリーガーで、KBC学園未来高校沖縄男子サッカー部の石川研監督は「クラブを挙げてしっかり戦ってきた結果。本当におめでとう。沖縄にもJリーグで戦えるクラブがあることをしっかり証明できた」と評価した。

 今年3月まで、FC琉球のアカデミーで中高生らの育成をしてきた。今後は「J2のほかのチームとの対戦で、どれだけ自分たちのレベルを高めるかが楽しみ」と話した。