新日鉄住金、室蘭の高炉改修

投資額350億円、「高度IT」で安定操業

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 新日鉄住金は2日、室蘭製鉄所(北海道室蘭市)の第2高炉を改修すると発表した。2020年7~9月に吹き止め、約90日間の工期で改修し、同年10~12月に再火入れする計画だ。投資額は約350億円。改修により炉容積は約4%拡大するが、粗鋼生産量は現状の水準を維持する。改修に合わせて高度IT(情報技術)を駆使した最新システムも導入し、操業の安定性向上やコスト低減を目指す。

 室蘭製鉄所は高炉1基体制で、自動車向けを中心とした特殊鋼棒線の主力拠点。粗鋼生産量は年143万トン(17年度)。高炉の改修期間中も製品ラインは操業を継続する。改修中の鉄源は自所の備蓄材を活用するほか、複数の他製鉄所から分譲を受けて賄う。

 改修により炉容積は現在の2902立方メートルから3014立方メートルに拡大。長寿命化に向けて炉体冷却装置のステーブクーラーを現在の鋳物製からより薄手の銅製に変更するため、結果として炉容積が広がることになる。施工は新日鉄住金エンジニアリングなどが手掛ける。

 室蘭第2高炉の前回の改修は01年11月。改修では20年近く経て経年劣化した炉内の耐火レンガなどを刷新する。改修に合わせて最新技術も導入。高度ITを駆使した点検作業システムや炉内監視システムを採り入れ、操業の安定性向上やコスト低減を目指す。

 今回の改修では鉄皮と呼ばれる厚鋼板製の外壁を解体せずに流用する。これまでは鉄皮も全面的に取り替えていた。改修コストの低減につなげる狙いがある。

 鉄皮を流用するのは国内では珍しい。神戸製鋼所が16年秋の加古川製鉄所(兵庫県加古川市)の高炉改修で採用したのが初めてとみられる。

名古屋でコークス炉更新、570億円投じ

 新日鉄住金は同日、名古屋製鉄所(愛知県東海市)の第3コークス炉を更新することも発表した。投資額は付帯設備も含め約570億円。13年度に停止した従来の第3コークス炉の解体跡地に、炉形式を変更した新たな第3コークス炉を建設する。

 新たな第3コークス炉は生産能力が年80万トン(窯数84門)。19年4~6月に着工し、21年4~6月に本稼働させる計画だ。

 更新により第3コークス炉の炉形式も変更する。同社の設備・保全技術センター(PFC)が設計を担い、従来の「カールスチル複式」から「新日鉄住金複式」に改める。

 ここ数年のコークス炉更新工事は、既設炉の基礎部を流用する低コストのパドアップ工法が主流だが、今回は基礎部も刷新し、全面的に設備の健全化を図る。