危惧種カワラノギク、相模川に咲いたよ 保全の児童お花見

 絶滅危惧種の植物「カワラノギク」の保全活動を続けている相模原市立湘南小学校(緑区小倉、児童数22人)の児童たちが30日、同校近くの相模川河川敷で満開となったカワラノギクのお花見会を楽しんだ。種まきや草取りなど、これまでの活動をパネルで発表し、「今後も活動を頑張り、河原を花でいっぱいにしたい」と訴えた。

 カワラノギクは、河川敷で白や薄紫のかれんな花を咲かせるキク科の多年草。同校3、4年の児童は地元住民らでつくる「カワラノギクを守る会」(長谷川兌会長)の指導を受け、種まき、草取りなどの活動に汗を流してきた。今年は台風による増水の影響で3分の1ほどが流されたものの、残る株は見事な花を咲かせた。

 お花見会では、児童が保護者や同会メンバーら約50人の前でカワラノギクの特徴や保護活動の歴史を発表した。カワラノギクが好む石の河原が少なくなり、外来植物が増えたことなどから、数を減らしてきたことを4年生の金子さくらさん(9)が報告。「人間のせいで絶滅しそうになっていることを知りました」と話した。

 4年生の平井あかりさん(9)は「今年も大きな台風があって流されたカワラノギクもあるけれど、たくさんの花が咲いてうれしい」と笑顔だった。発表会の後、全校児童が集まり、カワラノギクを眺めながら弁当を食べた。

 カワラノギクはかつて相模川の河川敷に広く自生していたが、1990年代の調査で35株にまで減少。地域住民が中心となって保全活動を続け、同校では2001年から保全活動を授業に取り入れてきた。環境省のレッドリストで絶滅危惧種とされている。

カワラノギクを保全している相模原市立湘南小学校の児童

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