旧耐震基準の分譲マンション、大半が未改修 兵庫県内の1440棟

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 旧耐震基準で建てられ、震度6弱で倒壊の恐れがある分譲マンションが兵庫県内に1440棟(約7万1千戸、2016年末時点)あり、大半が耐震改修工事を実施していないとみられることが5日、神戸新聞社の取材で分かった。巨大地震の発生が懸念される中、住民や地域の安全に重大な影響を及ぼすため、国や県は早急な対策を呼び掛けている。(吉本晃司)

 国土交通省によると、1980年以前に建てられた旧耐震基準の分譲マンションは2016年末時点で全国に約104万戸ある。

 建築物の耐震基準は1978年の宮城県沖地震を契機に改められ、81年6月以降に建築確認が下りたマンションは震度6強以上の地震でも倒壊しないことを想定している。だが、それ以前の旧耐震基準では震度6弱で倒壊の恐れがある。

 国が5年ごとにまとめる住宅土地統計調査(2013年)によると、県内にある旧耐震基準の非木造共同住宅のうち、耐震改修工事を済ませたのは戸数ベースで1%程度だった。また、分譲マンションとみられる物件のうち、県の補助金を活用して耐震改修工事をしたのは03~17年度の15年間で計15棟783戸にとどまる。

 国は、耐震基準に満たないと認定されたマンションの建て替えを促進するため、所有者の5分の4の合意で建て替え決議ができるようにする制度の創設など法整備を進めている。だが、住民の費用負担や合意形成で依然として高いハードルがある。

 一方、新耐震基準で建てられても築40年を超えたマンションは、構造部分や外壁の劣化などで安全性に課題が出る。16年末時点で県内には981棟(約4万9千戸)あり、10年後に約3倍に達する見込み。国交省の推計では、同時点で全国に約73万戸あり、10年後に2・5倍、20年後に約5倍に増え、新たな課題となっている。

 マンション管理や運営に詳しい県マンション管理士会は「老朽化対策の円滑な手続きには、住民の良好なコミュニケーションが欠かせない。住民総会などに積極的に出席して課題を共有し、災害に備える意識をつくってほしい」と呼び掛けている。