富田製作所、プレス造管能力を増強 外面溶接機を増設、構内物流も改善

 重量製罐・大型板金・プレス造管業の富田製作所(本社・茨城県古河市丘里11、社長・富田英雄氏)は、加圧能力1万6千トンの大型油圧プレスを設置する「造管工場」の造管能力強化と構内物流効率化に着手。すでに工場内には外面溶接機を増設したほか、屋外には15トン門型クレーンを増設した。来月から明春にかけてヤードクレーンの延長と完成品置場用テント倉庫も設置する計画だ。

 国内最大級の1万6千トンプレスを有する造管工場は、本社(古河)工場敷地内にある。

 工場建屋の長手方向に沿って走行する屋外門型クレーンを増設。既設の15トンクレーンと合わせて2台とし、最大重量30トンまでの製品荷吊りを可能とした。構内の最大荷役可能重量に合わせた。

 1万6千トンプレスの加工能力をフルに生かせる極厚長尺プレス造管(丸角パイプ)のほか重量製罐物や大単重の大型板金製品の出荷・払い出し作業がスムーズになり、構内物流の機動力につなげる。

 また、現在はヤードクレーンガータの延長工事を進めており、12月中に完了する予定。建屋内から屋外まで直接移動(荷役・出荷)が可能となり、延長によってガータ下に754平方メートルのスペースが創出される。支給材の置場や溶接後の中間品・仕掛かり品の仮置き、完成品置場として活用する予定だ。

 明年3月には出荷待ちの完成品用テント倉庫(10メートル×20メートル)も設置する計画だ。これらが整うことによって造管工場の置場・荷役体制が効率的になり、構内物流が強化される。

 新設した外面2電極サブマージ溶接機(ソーキエンジニアリング製、1500Aタンデム)は最大長さ17メートル、最大φ2メートル径の丸角パイプに対応する。肉厚の厚い極厚サイズの外面溶着量が多いパイプ用に装備した。

 造管工場内には最大φ3・6メートル径用の外面溶接機が稼働しているが、極厚パイプの場合、外面溶接の比重が高く受注増によって仕掛かり品が停滞するなど能力不足が顕在化。増設によって加工能力を増強し、生産性向上と顧客に対する納期対応力を高める狙い。

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