雪の斜面這い上がる子グマ映像、2千万回超視聴 「感動」の声、「野生守れ」批判も

By 太田清

母グマが前足を差し出す中、必死で斜面を這い上がる子グマ。ツイッターから

 ロシア極東マガダン州で6月19日、雪で覆われた山の斜面を1頭の子グマが懸命に這い上がろうとする姿が撮影され、SNSで公開されたところ2千万回以上視聴され「感動した」「勇気をもらった」などとする世界中のユーザーの反響が相次いだ。一方で、撮影がドローンを使って行われたことから「野生動物の撮影のルールを守るべき」などとする批判の意見も寄せられた。英大衆紙デーリー・メール(電子版)などが6日までに伝えた。 

 映像では斜面に母グマと小グマが現れ、最初に母親が這い上がり山頂に到達。小グマは母親についていこうとするが何度も斜面を滑り落ち、そのたびに再び這い上がろうとする姿が写されている。母親が心配そうに見守る中、一度は山頂近くまで達し、母親が前足を差し出すが失敗。子グマははるか下方の岩肌が現れている場所まで落ちてしまう。 

 しかし、子グマは諦めずに再びチャレンジ。最終的に山頂に到達し母グマとともに走り去るところでビデオは終わっている。映像は11月2日に「Viral Hog」というユーチューブのチャンネルにアップされ、3日にはカナダ王立地理協会のメンバーでもあるテレビ司会者が「子グマから学んだこと。上を見て、諦めないこと」とのコメントともにツイッターに投稿したところ反響が殺到。50万以上の「いいね」がつき、18万回近くリツイートされた。 

 「この子グマは諦めなかった。私もこの心意気で1週間を始めたい」など、大部分が好意的なコメントだったものの中には「ドローンを猛きん類と間違え、必死で逃げ出しただけでは」「かわいそうな子グマ。クマを驚かせるような行為はやめるべきだ」と非難する意見も。映像をアップしたテレビ司会者も「これは不適切なドローン使用の一例でもある」と、映像から野生動物保護の教訓もくんでほしいと訴えた (共同通信=太田清)

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