埼玉西武のエース・菊池がポスティング制度でメジャー挑戦へ

日本球界から海を渡ってメジャーリーグに挑戦する次の選手は、埼玉西武ライオンズのエース左腕、菊池雄星になりそうだ。球団はポスティング制度を利用してのメジャー挑戦を容認する姿勢であり、近日中にも手続きが行われると見られている。

菊池はまだ正式にポスティング制度の利用を申請しているわけではないものの、球団がメジャー挑戦に同意していることがすでに報じられている。正式に手続きが行われれば、菊池は全球団との契約交渉が可能となり、自身の移籍先を決定することになる。

今季の菊池は左肩の不調により戦列を離れた時期があったものの、23試合に先発して14勝4敗、防御率3.08をマーク。勝利数と防御率はパ・リーグ2位、153奪三振は同4位にランクインし、自己最高の成績を残した昨季から成績を落としたとはいえ、リーグを代表する投手として活躍した。通算では73勝46敗、防御率2.77をマークしている。

菊池は大谷翔平(エンゼルス)のようなスーパースターになることを期待されているわけではないが、MLB公式サイトのジョン・ポール・モロシのレポートによると、複数のスカウトがメジャーで先発2番手を担う可能性があると評価しているという。菊池は常時92~94マイルの速球を投げ、最速では96マイルを記録。これほどの速球を投げる日本人左腕はほとんどいない。菊池が国外FA権を取得するのは2020年の見込みであり、今オフのメジャー挑戦には球団の許可が必要となるが、埼玉西武は菊池をメジャーへ送り出すことに前向きだ。

ポスティング制度の利用申請は現地時間11月1日から12月5日までの間に行われなければならず、そこから30日間の交渉期間が設けられる。今オフから新たなポスティング制度が採用されるため、埼玉西武が得る移籍金は菊池の契約総額次第となる。最初の2500万ドルまでは20%、次の2500万ドルは17.5%、5000万ドルを超える分については15%にあたる金額が移籍金として埼玉西武に支払われる。菊池がどのような契約を得ることになるか、大きな注目が集まることになりそうだ。

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