IR誘致「検討中」 川崎市長が真意説明

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致に関する政府の意向調査で、川崎市が申請を「検討中」と回答したことについて、同市の福田紀彦市長は6日の定例会見で、「当初から(誘致の)選択肢を100パーセント除外してしまう必要はない」と真意を説明、現時点で誘致に本腰を入れたわけではないことを強調した。

 福田市長は「『検討中』と答えた方が国の情報を的確に取れるのではないかと判断した」と回答の趣旨を明かした。「地域のにぎわい創出にIRは有効な手段になり得る。市財政が厳しい中、あらゆる手段を考える必要がある」とした上で、「あくまで一般論だが、羽田空港に隣接している地の利は最高にいいと思う」との考えを示した。

 一方で、誘致について地元経済界と正式に話をしたことはなく、「行政として組織的な検討を積み上げてきた経緯もない」と述べた。政府調査が(1)行う予定(2)行うかどうか検討している(3)未定(4)行わない-の4択だった点に触れつつ、「同じ『検討している』という回答でも、誘致に向けて話し合いを重ねている自治体とではやや温度差があるのでは」とした。

 こうした川崎市の姿勢に対し、誘致が取り沙汰されてきた横浜市の林文子市長は同日の定例会見で、「いろいろな観点から検討中との考えになっているのでは。これは当然だろう」と理解を示した。横浜市も今回の政府調査に「検討中」と回答した点には、「まだ白紙。研究、検討を重ねている段階」と従来の見解を改めて強調した。

川崎市の福田紀彦市長(資料写真)

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