県育英資金「最長1年」を延長へ 災害時、返還猶予5年まで

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県育英資金の返還猶予期間について会見する県教委高校教育課の那須高久課長(右)ら=6日、県庁

 熊本地震で被災した家族に、県が県育英資金の返還請求訴訟を起こしていた問題で、県教委は6日、自然災害での被災を理由とする返還の猶予期間を現行の1年以内から、最長5年まで延長できるよう制度の運用を見直すことを明らかにした。

 罹災[りさい]証明書で自宅が一部損壊以上などと認定された奨学生が対象。猶予期間が1年を過ぎて、さらに猶予を求める場合、給与所得者は年収300万円以下、農家や自営業などは年間所得200万円以下が要件となる。要件や猶予期間は日本学生支援機構の制度を参考にしたという。

 熊本地震に関しては、猶予を認められた約160人に加え、これまで猶予を申請していない被災者も対象とする。再延長の対象期間は18年4月分から21年3月分までで、1年ごとの申請が必要という。

 この日会見した県教委高校教育課の那須高久課長は「被災者に真摯[しんし]に対応し、今後も丁寧に制度を運用していきたい」と述べた。

 一方、裁判となった家族については県育英資金の返還を命じる判決が出ており、制度上の猶予はできないが、同課は「生活状況を把握しながら柔軟に対応する」とした。

 蒲島郁夫知事は10月、「被災者に寄り添っていない」などの批判を受け、県育英資金の運用や被災者への対応について見直すよう県教委に求めていた。(臼杵大介)

(2018年11月7日付 熊本日日新聞朝刊掲載)