映画「ああ栄冠は君に輝く」 10日に長崎で上映会 高校野球大会歌の作詞者・加賀大介の人生描く

 ことし第100回を迎えた全国高校野球選手権大会の大会歌の作詞者、加賀大介(1914~73年)の人生や歌の誕生秘話を、実話を基に描いた映画「ああ栄冠は君に輝く」(2018年、83分)の上映会が10日、長崎県長崎市興善町の長崎市立図書館で開かれる。

 大会歌「栄冠は君に輝く」は1948年、現在の大会名に改称した第30回大会の節目に主催者が歌詞を公募。総数5252編から加賀の作品が選ばれた。加賀は石川県出身。少年時代、野球で負ったけががもとで右足を切断。古里で文芸の道を目指すが、がんのため志半ばで死去した。

 監督・プロデュースは「二重被爆~語り部・山口彊の遺言」(2011年)などを手掛けたドキュメンタリー作家の稲塚秀孝氏。加賀役に俳優の松崎謙二、加賀を支えた妻道子役に渡辺梓、語りを仲代達矢が担当。歌は加藤登紀子。

 稲塚監督は「70年間歌い継がれた歌詞には、加賀の挫折や夢、周囲への思いがこもっていることを、見た人に発見してもらえたら」と話している。

 10日の上映は午前11時、午後1時、同3時からの3回。各上映後に稲塚監督のあいさつがある。入場料一般千円、学生・高校生500円、中学生以下無料。

映画「ああ栄冠は君に輝く」の一場面(稲塚監督提供)

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