三井ハイテック、工作機械で新製品 剛性向上、AIで振動解析

 三井ハイテックは、工作機械のNC平面研削盤で新製品を開発した。より機械の剛性を高めた「MSG―S500R」と、AIによる機械学習機能を搭載した「MFG―PCNCL―R」を外販するもので、同社の次世代ソリューション「R’natus(ルナタス)」シリーズとして売り出す。

 「MSG―S500R」は高速かつ精密な加工を得意とする機種で、構造を改良し従来機で最大だった「S300」から機械剛性を大幅に向上させ、より精度の高い加工を実現した。また可動部の軽量化とリニアモーターの出力を高め、従来比で2倍の高速反転動作を可能としている。

 「MFG―PCNCL―R」はマルチヘッドで多工程加工を得意とするタイプで、AI活用の第一弾として自動で砥石の状態を管理できるシステムを開発した。岡谷鋼機の仲介で沖電気工業と組み、AIやビッグデータなど機械学習を活用。振動の解析結果を元に、砥石や加工対象(ワーク)の状態に応じて自動で最適な研削を行う。

 両機ともにカメラを搭載しワークを認識することで作業の自動化が図られている。ロボットを交えた連携作業も可能で、これらトータルソリューションを次世代加工システム「ルナタス・シリーズ」ブランドとして提案していく。

 三井ハイテックは金型や電磁鋼板を加工したモーターコア、リードフレームを造るメーカーで、自社で使う機械を外販する工作機械事業では平面研削盤を主力製品としている。今回開発した機種はすでに自社でも使用しており、岐阜県可児市で立ち上げる新工場でも導入される。

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