三菱マテ、デンカと車向けセラミック基板を共同開発 放熱特性など向上

 三菱マテリアルは5日、デンカとの間で、電気自動車に代表される環境対応車のモーター駆動用パワーモジュールに使用されるセラミック絶縁放熱回路基板の共同開発に合意し、本格的量産に向けた取り組みを開始すると発表した。

 デンカの持つセラミックの材料技術・製造技術と、三菱マテリアルが持つ独自の回路化工程の技術を融合させ、放熱性と耐久性に優れた市場競争力の高いセラミック基板の早期製品化を図る。2020年をめどに新製品の市場投入を目指す。

 近年の急速な自動車電動化のニーズの高まりを受け、モーター駆動用パワーモジュールに使用される絶縁放熱部品として、放熱特性に優れたセラミック基板の需要は拡大傾向にある。一方、モーターの高出力化に伴う半導体素子の発熱密度の増大に対応するため、セラミック基板の銅回路を厚くしてさらに放熱特性を向上しつつ、熱サイクル信頼性を高めた製品の開発が必要となっている。

 三菱マテリアルは、セラミックス基板の両面にアルミを接合したDBA(ダイレクト・ボンデッド・アルミニウム)基板や、DBA基板のアルミに銅の回路材を直接接合した厚銅付きDBA基板、DBA基板に銅の放熱板を接合した銅放熱板一体型DBA基板などセラミック絶縁放熱回路基板の開発で長年の実績がある。

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